「京都はパンの街」というフレーズを、旅行雑誌やSNSで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。パン激戦区として知られる京都ですが、実はここ数年、パンに負けず劣らず盛り上がりを見せているのが「焼き菓子」です。
かわいらしい缶にクッキーを詰め合わせた「クッキー缶」は全国的なブームとなっており、京都でも人気店には行列ができるほど。また、マドレーヌやフィナンシェといった焼き菓子は常温で日持ちしやすく型崩れもしにくいため、京都みやげとして持ち帰りやすいのも魅力です。
この記事では、京都在住スタッフが実際に訪れて選んだ、信頼できる焼き菓子の名店を「焼菓子専門店」6店と「洋菓子店(パティスリー)」2店の、あわせて8店ご紹介します。営業時間・定休日・アクセスなどの実用情報もあわせてまとめましたので、旅行の計画にお役立てください。
なお、人気店では午後の早い時間帯に商品が売り切れてしまうことも多いため、お目当てのお店がある場合は、なるべく午前中〜開店直後の来店をおすすめします。また、営業時間や定休日は変更されることがあるため、訪問前には各店の公式サイトやSNSで最新情報を確認することをおすすめします。
目次
■焼菓子専門店部門
1.坂田焼菓子店(上七軒)
2.ナカムラジェネラルストア(烏丸御池)
3.さらさ焼菓子工房(三条会商店街)
4.ミュルミュール(西陣)
5.スギトラ パティスリーラボ(一乗寺)
6.オハヨービスケット(二条城周辺)
■洋菓子店部門
7.ラ・クラシック(下鴨)
8.ラマルク(今出川)
■まとめ
■焼菓子専門店部門
1. 坂田焼菓子店(上七軒)
最初にご紹介するのは、京都五花街のひとつ「上七軒(かみしちけん)」の近くにある坂田焼菓子店です。石畳が敷かれた風情ある上七軒エリアの中で、思わず二度見してしまうほど目を引くブルーの外壁が目印。市バス「上七軒」停留所のすぐ東側に位置しています。
店主の坂田保子さんは、もともと城陽市に工房を構えていましたが、一時は長崎・佐世保に拠点を移し、その後再び京都に戻って手作り市や卸しでの展開を経て、2015年に現在の店舗をオープンしました。お菓子の原点は、坂田さんが幼少期を過ごしたカナダのお菓子なのだそう。厳選された自然素材で焼き上げるクッキーやスコーン、アメリカンパイがずらりと並び、どっしりとした大きさとあたたかみのある素朴な味わいが魅力です。
定番のクッキーは、生姜の風味が効いた「ジンジャー」、クルミやオートミールにビターなチョコチップを合わせた「ナッツ&チョコチップ」、季節の長野産ジャムをサンドした「ジャムサンド」、クマの形がかわいい「ベア」など。パイでは、ねっとり濃厚なパンプキンパイが特におすすめです。夏季限定でクッキーサンドが登場することもあります。
パッケージデザインも人気の理由のひとつ。坂田さんの友人でイラストレーターの今井麗さんが手がけた包装紙はとても愛らしく、思わず取っておきたくなる仕上がりです。北野天満宮からも徒歩圏内なので、毎月25日の縁日「天神さん」に立ち寄る際にもおすすめです。
〇坂田焼菓子店
住所:京都市上京区今出川通六軒町西入西上善寺町181-1-1-B
電話:075-461-3997
営業時間:9:00〜15:00(詳細は要確認)
定休日:月曜日・火曜日(不定休あり)
アクセス:市バス「上七軒」停留所からすぐ
HP:https://sakatayakikashiten.com/
2. ナカムラジェネラルストア(烏丸御池)

次のお店は、京都のビジネス街・烏丸御池にあるナカムラジェネラルストアです。
オーナーはハワイの人気店「ダイヤモンドヘッド・マーケット&グリル」で日本人初のスコーン担当者を務め、毎朝5時から300〜500個ものスコーンをひとりで焼き上げていたという、本場仕込みの実力の持ち主です。
「ジェネラルストア」とは、ハワイでいう「何でも揃う昔ながらの雑貨屋さん」のこと。店名には、地域のコミュニティのような存在になりたいという想いが込められています。店内には洋書やアメリカのキャラクターグッズが飾られ、まるでハワイにいるかのような雰囲気を味わえます。
看板商品は「ブルーベリークリームチーズスコーン」。バターたっぷりでリッチな生地に、フルーツとクリームチーズを混ぜ込み、外はカリッと、中はしっとりと焼き上げています。パサつきがちなイギリス式スコーンとはまったく異なる食感に驚く人も多いはず。バナナクリームチーズスコーンやマンゴークリームチーズスコーンも人気です。

また、濃厚なチョコレートに甘さ控えめの生地とバナナの風味が絶妙な「バナナとクルミのブラウニー」や、コーングリッツのプチプチ食感が楽しい「コーンブレッド」、完熟バナナをたっぷり使った「バナナブレッド」もおすすめ。季節ごとに焼かれるアップルパイ(秋冬)・チェリーパイ(春夏)もぜひ味わってみてください。

人気店のため、午後には売り切れてしまう商品も多くあります。確実に手に入れたい場合は、開店直後の来店がおすすめです。
〇ナカムラジェネラルストア
住所:京都市中京区室町押小路西入ル蛸薬師町293-1
電話:090-3652-0454
営業時間:11:00〜18:00(完売次第終了)
定休日:水曜日
アクセス:地下鉄烏丸御池駅から徒歩約5分
HP:http://nakagene.com/index.html
3. さらさ焼菓子工房(三条会商店街)
続いてご紹介するのはさらさ焼菓子工房です。
お店があるのは、二条城にほど近い三条会商店街。西日本最大級ともいわれる全長約800メートルのアーケード商店街で、昔ながらの店舗と、町家を改装したカフェや雑貨店が混在するエリアです。商店街内には祇園祭ゆかりの八坂神社又旅社もあり、散策にもぴったりです。
こちらは、京都市内で複数のカフェを展開する「さらさ」グループの焼き菓子専門店。手作り感あふれるアメリカンスタイルの焼き菓子が並びます。看板商品の「キャロットケーキ」は、たっぷりの人参にクルミ、シナモン、ココナッツを合わせ、見た目のボリュームに反して軽い食感。トッピングのクリームチーズも甘さ控えめで、ぺろりと食べられます。
大ぶりでサクッとした食感の「焼きっぱなしクッキー」も定番人気。チョコがゴロゴロ入ったアメリカンな甘さが、コーヒーとよく合います。
近年人気のクッキー缶も要チェックです。バニラクッキー、カシューナッツとチョコレートライ麦クッキー、チョコチップクッキー、ピーナッツバターオートミールクッキー、コーヒークッキーの定番5種を詰め合わせた、手頃なサイズと価格が魅力の一缶です。
さらさグループは、京都市内で古い銭湯を改装した「さらさ西陣」など、個性的な店舗を複数展開しています。焼菓子工房に隣接するカフェ「さらさ3」でイートインも可能です。
〇さらさ焼菓子工房
住所:京都市中京区御供町309
電話:075-822-1600
営業時間:10:00〜18:00
定休日:水曜日
アクセス:地下鉄東西線「二条城前」駅から徒歩約5〜7分
HP:https://www.cafe-sarasa.com/
さらさグループのお店を紹介しているこちらの記事もぜひチェックです!
→京都の銭湯リノベカフェへ。なんだか落ち着く昭和レトロ空間を楽しむ
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4. ミュルミュール(西陣)
続いては、上京区の閑静な住宅街、寺之内通小川通を下ったところに佇むミュルミュール(le murmure)です。白を基調としたスタイリッシュな外観が目を引きます。
妹さんがお菓子作りを、お姉さんが接客を担当する姉妹二人で営むお店で、自分たちが本当に好きなお菓子だけを作って販売しているのが特徴。「ミュルミュール」はフランス語で「ぶつぶつ呟く」という意味で、お二人がお菓子を食べながら「こっちの方がおいしい」「もっとこうしたら」と語り合いながら新作を生み出してきたエピソードに由来します。営業日は金曜・土曜の週2日のみで、喫茶は要予約というこだわりの営業スタイルです。
代表商品のひとつが「トゥルトゥピレネー」。ピレネー山脈の形を模した大きなブリオッシュ型の焼き菓子で、白餡を混ぜ込んだプレーンや、こし餡を使ったチョコレートなど、餡がたっぷり配合されているのが特徴。しっとりとした食感が楽しめます。
木の実がざくざくと香ばしい「木の実のタルト」も人気で、お店の向かいにあるクラフトビール工房「ウッドミルブルワリー・京都」のコーヒースタウトとのペアリングもおすすめです。
また、11月頃から春先にかけての季節限定「タルトタタン」は、お店を始めるきっかけになったというスペシャリテ。青森県産の紅玉りんごを1台あたり10〜12個も使用し、周囲が黒く焦げるまでじっくり焼き上げた、濃厚なカラメル風味が魅力の一品です。
〇ミュルミュール(le murmure)
住所:京都市上京区挽木町518(寺之内通小川通下ル)
電話:なし(Instagramでの問い合わせのみ)
営業時間:毎週金曜・土曜 11:30〜17:00(売り切れ次第終了)
定休日:上記以外の曜日は休業。イベント出店等による臨時休業もあるため要確認
アクセス:地下鉄今出川駅から徒歩約20分、バス利用が便利
HP:https://www.instagram.com/lemurmure.cakes/
5. スギトラ パティスリーラボ(一乗寺)
次のお店はスギトラ パティスリーラボ(SUGiTORA Patisserie labo)です。
母体となる「SUGiTORA」は、河原町三条エリアの寺町・新京極商店街の間に本店を構える人気ジェラート・パフェ専門店。オーナーシェフの杉田晋一氏は、世界的な製菓コンクール「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー2015」に日本代表として出場し、銀メダルを獲得した実力派パティシエです。
もともとこの場所には杉田氏の実家である果実店「スギトラ果実店」がありましたが、2008年に一度閉店。その後2017年にジェラート店「SUGiTORA」として再スタートし、2021年12月、製造拠点を兼ねた焼き菓子専門店としてこちらの一乗寺店がオープンしました。
コンセプトは「毎日食べても飽きのこない、普段のおやつとしての焼き菓子」。店内には、バターの豊かな香りに包まれながら、マドレーヌ、パウンドケーキ、ダックワーズ、クッキーなどがところ狭しと並びます。

おすすめは、しっかりと焼き上げられ、バターとアーモンドの風味が香る正統派のフィナンシェ(毎日13時頃に焼きたてが登場することも)。ストロベリーとレモンの2種のフレーバーが楽しめるメレンゲクッキーや、同じフレーバーのキャラクター「ジャンピングとらちゃん」クッキーも見た目がかわいく、ギフトに重宝します。

見逃せないのがクッキー缶。緑茶とレモングラスのサブレ、バニラやチョコのサブレ、フロランタン、ブールドネージュ、ガレットブルトンヌ、メレンゲなど、バラエティ豊かな焼き菓子が詰まった、贈り物にもぴったりの一缶です。オンラインショップでの取り扱いもあります。
〇スギトラ パティスリーラボ
住所:京都市左京区一乗寺梅ノ木町56-1
電話:075-708-5058
営業時間:10:00〜17:00(10:00〜12:00 焼菓子販売 / 13:00〜 カフェ営業)※売切次第閉店
定休日:火曜日、水曜日(不定休あり) ※店舗による
アクセス:叡山電鉄「茶山・京都芸術大学」駅から徒歩約5〜8分
HP:https://www.sugitora.com/patisserie-labo
6. オハヨービスケット(二条城周辺)
次のお店はオハヨービスケットです。
京都市営地下鉄烏丸線「今出川」駅から徒歩約15分、白い外観に茶色の扉がかわいらしい洋菓子店で、堀川中立売エリアに位置しています。サブレ、マカロン、タルト、スコーン、レーズンサンドなど、フランスの伝統的な郷土菓子が種類豊富に並び、可愛らしくディスプレイされています。
代表商品の「キャロットケーキ」は、シナモンとナツメグを効かせたしっかりした食感の生地に、クリームチーズをコーティング。香ばしいナッツとの相性が良く、リピーターの多い一品です。
「レーズンサンド」は、ビスケットの間にラム酒漬けレーズンとホワイトチョコレート入りのバタークリームをサンドした一品で、クセになる味わい。フランス語で「眼鏡」を意味する「リュネット」は、リーフ型のサブレにフランボワーズジャムをサンドした、白い粉砂糖と赤いジャムのコントラストが美しいお菓子です。
甘さ控えめで日持ちすることから、贈り物にも適しています。小さな店内にはイートインスペースも用意されています。
〇オハヨービスケット(OHAYO biscuit)
住所:京都市上京区油橋詰町96-2
電話:075-411-9179
営業時間:11:00〜18:00
定休日:月曜日〜水曜日(木〜日曜のみ営業)
アクセス:市バス「堀川中立売」停留所から徒歩約3分、地下鉄「今出川」駅から徒歩約15分
HP:https://www.facebook.com/OHAYObiscuit/
■洋菓子店部門
ここからは、焼き菓子だけでなく生菓子も手がける本格パティスリー2店をご紹介します。
7. ラ・クラシック(下鴨)

ラ・クラシック(La KLASSIQUE)は、世界遺産・下鴨神社にほど近い、糺の森のそばにあるパティスリーです。
かつて京都にあった名店「オ・グルニエドール」で西原金蔵シェフのもと12年間修行を積み、スーシェフとして活躍していた加藤雅也シェフが、2018年8月にオープンしました。
店内に入ると、左手にはクッキーやムラングがずらりと並びます。特に女性から支持の高い「クッキーの詰め合わせ」は、素朴ながら間違いのない美味しさ。ショコラサブレにキャラメルをサンドし、ほんのり塩を効かせた「サブレ ショコラ キャラメル サレ」も人気です。

「レモンケーキ」も看板商品のひとつで、加藤シェフと同じくグルニエドールで修行を積んだ奥様の力作。三重県産レモンの皮と果汁を使い、酸味も香りもおだやかに仕上げられ、薄くかけられた砂糖衣(グラス・ア・ロー)の食感が心地よい、お店のシンボル的存在です。
クッキー缶にも定評があります。加藤シェフご夫妻が幼い頃からの憧れだったというクッキー缶を、3年の歳月をかけて完成させたというこだわりの一品。重さ500グラムとずっしりしたボリュームで、14種類のクッキーが詰め込まれています。赤い「ドレンチェリー」や緑の「アンゼリカ」をあしらったクラシカルなクッキー、真っ白なプレッツェル形のクッキー、発酵バターの香り豊かな「サブレバニーユ」、子豚をかたどったレモン風味のアイシングクッキーなど、レトロな雰囲気と華やかさが融合したラインナップです。
旬のフルーツを使ったショートケーキや、フランス産とイタリア産の栗をブレンドした秋の人気商品「モンブラン」、店名を冠したスペシャリテ「シュークラシック」など、10種類ほどの生菓子も常時販売されています。店内にはイートインスペースもあります。
〇ラ・クラシック(La KLASSIQUE)
住所:京都市左京区下鴨森本町13-9 糺の森ビル本館1階
電話:075-746-3059
営業時間:10:30〜17:00
イートイン営業時間:11:00~17:00(ラストオーダー 16:30)
定休日:日曜日・月曜日(祝日の場合は営業)
アクセス:京阪「出町柳」駅から徒歩約11分、市バス「糺の森」停留所から徒歩約1分
HP:https://www.instagram.com/laklassique/
8. ラマルク(今出川)
最後にご紹介するのは、今出川駅から徒歩約6分、同志社大学や京都御所にほど近いラマルク(LAMARCK)です。
2019年5月、ホテルグランヴィア京都やパリ、東京、大阪で修業を重ねたシェフパティシエの吉田達哉さんが、同じくパティシエの奥様とともにオープンしました。店名の「ラマルク」は、かつてパリのラマルク通りで暮らしていたことに由来します。
店内に入って右手には、テイクアウト用の焼き菓子がずらりと並びます。「幸せの鳥」という意味を持つレモンサブレ「オワゾー ドゥ ボヌール」は、鳥モチーフが好きな奥様の発案から生まれた商品で、そのかわいらしい姿から雑誌の表紙を飾ったこともあるそうです。
このほか、ケークオランジュ、フィナンシェ、マドレーヌなど、本格的な焼き菓子が種類豊富に揃います。特にフィナンシェは、アーモンドプードルの風味と食感がしっかりと感じられる仕上がりです。
生菓子の代表作は、抹茶のオペラケーキ「華やぐ森の香り」。抹茶の生地と抹茶バタークリームを交互に重ね、チョコレートクリームにグレープフルーツの果汁を、下の層には果皮を練り込むことで、ほどよい苦みをアクセントに加えています。ロッテの「チョコパイ」とのコラボ商品が発売されるなど、メディアでも話題になった逸品です。
パッケージにもこだわりがあり、テイクアウトの際は紙袋ではなく、白地に緑のロゴが映える風呂敷で包んでもらえます。贈り物にもぴったりです。
〇ラマルク(LAMARCK)
住所:京都市上京区今出川通新町西入ル弁財天町333-1
電話:075-496-8548
営業時間:11:00〜18:00
定休日:火曜日・水曜日(月曜不定休あり)
アクセス:地下鉄東西線「今出川」駅から徒歩約6分
HP:https://www.instagram.com/lamarckkyoto/
■まとめ
焼き菓子は常温で持ち歩けて型崩れしにくいことから、京都みやげとしても非常に優秀な存在です。各店ともに素材や製法へのこだわりが詰まっており、クッキー缶をはじめとするギフト向けの商品も充実しています。
今回ご紹介した8店は、上七軒・西陣・一乗寺・下鴨など、それぞれ異なるエリアに位置しています。定番の観光ルートから少し足を延ばして、京都の焼き菓子文化を巡る「お菓子散歩」を楽しんでみるのもおすすめです。
なお、営業時間・定休日・取り扱い商品は変更される場合があります。特にミュルミュールのように週2日限定営業のお店や、人気商品が早々に売り切れるお店もあるため、訪問前には各店の公式サイトやSNSで最新情報を確認したうえで、お出かけください。


