京都市上京区、堀川通に面した場所に鎮座する「晴明神社(せいめいじんじゃ)」。
平安時代の陰陽師(おんみょうじ)として知られる安倍晴明(あべのせいめい)を祀る神社で、厄除け・魔除けのご利益を求めて多くの参拝者が訪れます。
映画やアニメ、フィギュアスケートの世界でもたびたび話題になる晴明神社ですが、実際にはどのような歴史を持ち、どんな見どころがあるのでしょうか。この記事では、京都観光メディアとして、晴明神社の歴史・ご利益・見どころ・拝観情報までを詳しくご紹介します。
目次
■晴明神社とは?
■安倍晴明とはどんな人物か
■晴明神社が近年注目される理由
■晴明神社の見どころ
■拝観時間・アクセス
■まとめ
■晴明神社とは?
晴明神社は、平安時代中期に活躍した陰陽師・安倍晴明を祭神として祀る神社です。
寛弘4年(1007年)、晴明の没後2年にあたる年に、一条天皇の命により、晴明の屋敷跡とされる現在の地に創建されたと伝えられています。
創建当初の境内は、東は堀川通、西は黒門通、北は元誓願寺通、南は中立売通に及ぶ広大な敷地を有していたとされますが、応仁の乱をはじめとする戦火や、豊臣秀吉による都市改造の影響を受けて次第に縮小されていきました。江戸時代以降、氏子たちの手によって再整備が進められ、1950年(昭和25年)には境内が堀川通に面する場所まで拡張されました。現在の本殿は1905年(明治38年)に再建されたものです。
■安倍晴明とはどんな人物か
安倍晴明(921年〜1005年)は、平安時代中期に実在した陰陽師です。
陰陽道の大家・賀茂忠行(かものただゆき)・保憲(やすのり)父子に師事し、天文道を学びました。960年(天徳4年)に「天文得業生(てんもんとくごうしょう)」として記録に登場して以降、天文博士(てんもんはかせ)などの官職を歴任し、星の動きを読んで暦を編纂したり、宮中の重要な儀式の日取りを占ったりする役割を担いました。
晴明は、天変を察知して花山天皇の退位を予見したという逸話をはじめ、式神(しきがみ)と呼ばれる使役霊を操ったとする説話など、数々の神秘的な逸話とともに語り継がれています。こうした伝承から、「天文学者」と紹介されることもありますが、実際には天文道と陰陽道(占術・呪術・暦法などを含む学問体系)の双方を修めた宮廷陰陽師であったというのが実像に近いといえます。没後1000年にあたる2005年には、境内で「安倍晴明千年祭」が盛大に開催されました。
■晴明神社が近年注目される理由
晴明神社が国内外から幅広い注目を集めるようになった背景には、いくつかの要因があります。
映画・小説などの人気
野村萬斎さんが安倍晴明役を演じた映画「陰陽師」(2001年公開)をはじめ、平成期以降、安倍晴明を題材とした映画や小説が数多く発表され、人気を博しました。これをきっかけに、晴明神社を訪れる参拝者が大きく増えたといわれています。
フィギュアスケートとの縁
フィギュアスケート男子で2度のオリンピック金メダルを獲得した羽生結弦さんが、ショートプログラム「SEIMEI(セイメイ)」を演じたことでも知られています。この演目は安倍晴明をモチーフにした楽曲・振付で構成されており、世界中のファンの間で晴明神社の存在が広く知られるきっかけとなりました。
ご利益への信仰
晴明神社は、病気平癒・魔除け・厄除けなどのご利益があるとされ、古くから篤い信仰を集めてきました。境内のあちこちに見られる星形の紋様は「晴明桔梗(せいめいききょう)」とも呼ばれる五芒星で、安倍晴明が創始したとされる陰陽道に用いられる祈祷呪符(きとうじゅふ)の一つとされています。
■晴明神社の見どころ
一の鳥居(晴明桔梗の鳥居)

堀川通に面した最初の鳥居には、神社名ではなく五芒星「晴明桔梗」の紋が掲げられています。全国的にも珍しいデザインの鳥居で、参拝の前にぜひ立ち止まって見上げてみてください。
旧・一条戻橋

境内に入るとすぐに現れる小さな橋は、晴明の屋敷近くにあったとされる「一条戻橋」を模して再現したものです。戻橋の名にちなみ、「戻る」ことを避けたい嫁入り前の花嫁や、葬列がこの橋を渡らないようにするという風習が今も伝えられています。
晴明桔梗の鳥居(二の鳥居)

参道を進むと、神社名が記された鳥居が姿を見せます。両脇には五芒星をあしらった提灯が並び、神秘的な雰囲気を醸し出しています。
本殿

境内の最奥にある本殿は、1905年(明治38年)に再建されたものです。厄除け・魔除けのご利益を求めて多くの参拝者が訪れます。
御神木(樹齢300年以上のクスノキ)

末社の前には、樹齢300年以上とされる大きなクスノキの御神木があります。周辺にはベンチも設置されているため、休憩がてら立ち寄るのもおすすめです。
厄除桃(やくよけもも)

本殿近くに置かれた桃の形をした像です。中国の陰陽五行思想では桃は邪気を祓う果物とされており、この故事にちなんで置かれています。厄除桃に触れることで、身についた厄や穢れを祓うことができると伝えられています。
晴明井(せいめいい)

二の鳥居をくぐった先にある井戸で、安倍晴明が念力によって湧き出させたという伝説が残ります。この水を飲む、あるいは井戸の写真を待ち受け画面にすると、病気平癒のご利益があるといわれ、写真を撮影する参拝者の姿も多く見られます。
日月柱
上部に太陽と月をかたどった装飾が施された2本の柱で、陰陽の思想を象徴しているとされています。
■拝観時間・アクセス
晴明神社は参拝無料で、境内は誰でも自由に拝観することができます。御朱印やお守りなどの授与、ご祈祷を希望する場合は、別途初穂料が必要です。ご祈祷は予約制となっているため、事前に公式サイトで確認しておくと安心です。
〇晴明神社
住所:京都府京都市上京区晴明町806(堀川通一条上ル)
参拝時間:9:00〜17:00(年中無休)
授与所受付:〜16:30頃まで
拝観料:無料(御朱印・お守り・ご祈祷は別途初穂料が必要)
アクセス:JR京都駅から市バス9系統「一条戻橋・晴明神社前」下車、徒歩約2分
HP:https://www.seimeijinja.jp/
※授与品の初穂料や拝観に関する情報は変更される場合があるため、訪問前に公式サイトでの確認をおすすめします。
境内はそれほど広くなく、御朱印やお守りの授与を含めても20〜30分程度で参拝を終えられるのも魅力です。北野天満宮や金閣寺方面へ向かう散策ルートの途中に組み込みやすい立地でもあるため、周辺の観光と合わせて訪れるのもおすすめです。
■まとめ
晴明神社は、平安時代の陰陽師・安倍晴明を祀る、京都でも独特の雰囲気を持つ神社です。五芒星をあしらった鳥居や、一条戻橋、晴明井といった、晴明ゆかりの逸話を今に伝えるスポットが境内にコンパクトにまとまっており、短時間でも密度の濃い参拝ができます。
映画やフィギュアスケートをきっかけに晴明神社を知ったという方も、平安時代の陰陽道の世界に触れながら、オリジナルの御朱印やお守りを手に入れてみてはいかがでしょうか。

