【京都旅に来たら】金・銀・銅閣寺全部まとめて効率よくまわろう

KYOTREAT編集部

京都で有名なお寺と聞かれれば「金閣寺」「銀閣寺」と答える方も多いのではないでしょうか。
そんな金閣寺と銀閣寺にちなんだ「銅閣寺」と呼ばれる寺院があることはご存じでしたか?

今回は京都観光でまずおさえておきたい「金閣寺」「銀閣寺」と、普段は非公開で特別な公開が無い限り拝観することはできませんが、外から見学もできる祇園閣が有名な「銅閣寺」についてご紹介していきます。

せっかく訪れるなら、効率よく三つのお寺をまわりたいもの。他の記事ではあまり紹介されていない、京都駅を起点にしてめぐる方法もご案内するので、ぜひ最後までご覧くださいね。

目次

■金閣寺

■銀閣寺

■銅閣寺

■まとめ

■金閣寺

■京都で有名な金閣寺とは

写真 https://thegate12.com/jp/article/389

1994年にユネスコの世界遺産にも登録された「金閣寺」。
金閣寺は室町時代の北山文化を代表する建築物で、正式名称は「鹿苑寺」で相国寺の塔頭寺院の1つです。
舎利殿の金閣の華やかさが特に有名で「金閣寺」という名前で多くの人に親しまれています。

■金閣寺の歴史

金閣寺は1397年に建てられ、600年以上の歴史があります。

臨済宗相国寺派の塔頭寺院で、1397年に室町幕府代3代将軍の足利義満が北山殿の造営し、舎利殿の建設をはじめました。
釈迦の遺骨を納める舎利殿は足利義満が余生を過ごした場所でもあり、遺言によって「鹿苑寺(ろくおんじ)」と呼ばれる様になったといいます。

金閣寺は文化の発展に貢献しその建築や庭園は極楽浄土の表しで、北山文化の華々しさが分かる場所となっています。

600年以上の歴史の中でさまざまな危機にも直面しています。1467年には応仁の乱が勃発しましたが、幸いにも舎利殿は無事でした。
しかし、1950年に見習い僧である林承賢による放火によって舎利殿が全焼。これにより、国宝であった足利義満の像や仏教絵巻、夢窓疎石像、観世音菩薩像など多くの文化遺産が消失してしまいました。

その後、全国から補助金が集まり1952年に再建がスタート。1955年には無事に修復され1987年の大改修で現在の姿に生まれ変わりました。そして1994年に古都京都の文化財として金閣寺は世界遺産に登録されました。

■どうして金閣寺と呼ばれるのか?

金閣寺はどうして「金閣寺」という名前なのでしょうか。
金閣寺の正式名称は「鹿苑寺(ろくおんじ)」で、金色の舎利殿には華々しさを感じさせますよね。
この寺名は足利義満の法号である鹿苑院から名付けられました。

しかし、金閣寺と呼ばれるのは舎利殿の金色にちなんでいるのだとか。
造りはシンプルですが、圧巻の存在感で多くの人々を魅了し続けています。

■京都・金閣寺の見どころ

○舎利殿

写真 https://thegate12.com/jp/article/389

黄金に輝く舎利殿。夏には青々しい緑に映え、冬には真っ白な雪が屋根に積もり、そのコントラストが美しいです。

○鏡湖池(きょうこち)

舎利殿の周りある鏡湖池。
この池を含む約92,400㎡が鹿苑寺庭園として特別文化史跡、特別名勝に指定されています。
お天気が良ければ、鏡湖池に舎利殿が鏡のように反射して映り込む姿がまた素敵です。

○鳳凰

写真 https://thegate12.com/jp/article/389

舎利殿の頂上に設置されている「鳳凰」。一番てっぺんに姿が見えるので注目してみてください。
設置された理由は諸説あり、
・災難から守り、永遠の繁栄をするための守り神として
・徳の高い君子が出現することを広めるため
などと言われています。
足利義満が今後国を納めていくことをアピールするため、という理由が一番大きいようです。

○夕佳亭(せっかてい)

写真 https://thegate12.com/jp/article/389

金閣寺の茶室である夕佳亭。茶道家の金森宗和(かなもりしげちか)がつくりました。
夕佳亭は「夕日に映える金閣が特に佳く見える」ということが由来となっており、ここからは金閣寺を見下ろすことができます。

○銀河泉(ぎんがせん)

写真 https://thegate12.com/jp/article/389

金閣の裏側を進んだところにある銀河泉。小さな水溜りのようなところなのですが、水が湧き出ています。

○安民沢(あんみんたく)

かつては雨乞いの場所として使われていた安民沢。金閣寺の奥深くにあり、金閣から50mくらい離れた高台にあります。
五輪が積み重なった石塔は、西園寺家の鎮守と言われています。

施設名:金閣寺(鹿苑寺)
住所:京都府京都市北区金閣寺町1
アクセス:京都市バス「金閣寺道」より徒歩3分程度

HP:https://www.shokoku-ji.jp/kinkakuji/

■銀閣寺

■京都で有名な銀閣寺とは

写真 https://kaigo-ryoko.com/articles/kyoto-ginkakuji/

銀閣寺は京都府京都市左京区銀閣寺町にある寺院で、正式名称は「東山慈照寺」と言い、臨済宗相国寺の塔頭寺院の1つです。足利将軍家のゆかりの寺で、室町後期に栄えた東山文化を象徴する寺院として知られています。

そんな東山慈照寺は金閣寺に対して「銀閣寺」と呼ばれ、世界中から観光客が訪れます。
・銀閣寺
・金閣寺
・飛雲閣(西本願寺)
の3つの寺が京都の三閣と言われ、美しい庭園の中にある向月台、国宝にも指定されている観音堂など多くの見どころがあります。

■銀閣寺の歴史

1994年に世界遺産に登録された銀閣寺。その歴史を振り返ってみましょう。

銀閣寺は1482年に室町幕府八代将軍の足利義政によって東山殿を造営したことが銀閣寺の始まりとなっています。
1467年以降に起こった応仁の乱によって消失し、その土地に銀閣寺が建てられました。

北山文化時代の華やかな金閣寺と対象的なことから銀閣寺と呼ばれるように。
足利義政は1485年に移り住み、生涯を過ごしました。

1485年には西指庵、翌年に東求堂、1485年に東山殿会所などが完成。
1615年に大改修が行われ、現在に近い状態となり1994年に古都京都の文化財として世界遺産になりました。

■どうして銀閣寺と呼ばれるのか?

では、どうして東山慈照寺は銀閣寺と呼ばれるのでしょうか。
足利義満の金閣寺に対して江戸時代から呼ばれるようになった「銀閣寺」。

銀閣寺は
・銀箔を貼る予定でそのように呼ばれた
・銀箔を貼ったのでそのように呼ばれ、後に剥がれ落ちた
などという説がありましたが、実際に銀箔は貼られておらず、室町幕府の財政状況的にも銀箔を貼ることができなかったため当初は黒漆が塗られていたと言われています。

また銀閣寺には錦鏡池と呼ばれる池と銀沙灘に向月台と呼ばれる砂盛りがあります。
これらは月の光を本堂に照らす役割を果たしていると言われており、この月に当たって光った姿が銀色なことから銀閣寺と呼ばれるようになったという説もあります。

黄金に輝く北山の金閣寺と対照的な美しさがある銀閣寺。
その落ち着いた佇まいを見ると、心身ともに落ち着いた気持ちになれるでしょう。

■京都・銀閣寺の見どころ

○観音殿

銀閣寺へ観光に来たら、必ず見ておきたいのが観音殿。
足利義政の宗教観を表した観音殿は銀閣と呼ばれており、1階に心空殿、2階に潮音閣と呼ばれる仏堂からなっています。
当時政治の中心であった京都市内西側をあえて向かないように建てられており、政治に疲れ果てて隠居した足利義政の心情を読み取ることができるでしょう。
ここからは季節によって移り変わる美しい景色を眺めることができます。

○向月台と銀沙灘

写真 https://tabichannel.com/article/858/ginkakuji

円錐形に砂を積み上げた向月台。
その形は富士山を表しており、高さは1.8mにもなります。
これは山の上に座って月を眺めるために造られたと言われています。

そして、その周りの砂は銀沙灘と呼ばれ、波を表しています。
これらは江戸時代に作られたもので東山を昇る月を見るために作られました。

○池泉回遊式庭園

錦鏡池を中心に作られた庭園。
苔寺の庭を模して作られたと言われており、池にかかる石橋や白鳥島などが見どころ。
池泉回遊式庭園は1952年に特別史跡・特別名勝に指定されています。

○東求堂(とうぐどう)

国宝にも指定される東求堂。
足利義政の持仏堂として1486年に作られ、日本最古である茶室「同仁斎」があります。
正方形の形をしている建築で、阿弥陀如来や足利義政像が置かれています。

施設名:銀閣寺(慈照寺)
住所:京都府京都市左京銀閣寺町2
アクセス:JR京都駅から京都市営バス100号系統「銀閣寺前」下車

HP:https://www.shokoku-ji.jp/ginkakuji/

■銅閣寺

■京都で有名な銅閣寺とは

写真 https://tabi-mag.jp/ky0078/amp/

銅閣寺の正式名称は、「大雲院」と言います。昭和の初めに建てられた銅閣寺は、大倉喜八郎氏の別邸・真葛荘(まくずそう)の一部であり金閣銀閣の名前にちなんで銅閣寺と名付けられました。
祇園閣はその名の通り祇園祭の山鉾をモチーフにした独特の形で、銅閣と呼ばれるのにふさわしく屋根は銅板葺きになっています。

■銅閣寺の歴史

写真 https://tabi-mag.jp/ky0078/amp/

銅閣寺は1587年(天正15年)に織田信長と信忠親子の菩提を弔うことを目的に正親町天皇の勅命で建てられました。
大雲院と呼ばれるのは信忠の戒名の院号・大雲院からつけられたそうです。

当初は烏丸二条にあった大雲院ですが、昭和になって祇園の東山あたりに移転。
ここの場所はもともと大倉喜八郎の別荘でした。
帝国ホテルや帝国劇場などの創始者でもあり、金閣や銀閣があるのだから銅閣も!という思いで建てられました。

■銅閣寺を拝観したいときはどうする?

銅閣寺は通常は非公開なので中に入って拝観することは不可能です。
これまでにテレビメディアなどが、特別な許可を得て中を撮影していたこともありますので「見てみたい」と思うこともあるでしょう。

実は銅閣寺は、夏や秋の季節限定で特別公開をしていることがあります。
2021年には11月頃に秋の特別公開があったので、近いうちに特別公開をする可能性は大いにあります。

特別公開で拝観することができた暁には、高さ36mの斬新な外観以外にも内部天井の十二支の装飾や階段部の鬼などに是非注目してみてくださいね。

施設名:銅閣寺(大雲院)
住所:京都府京都市東山区祇園町南側594-1
アクセス:JR「京都駅」から市バス「東山安井」下車、徒歩5分程度

HP:https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/180323

■まとめ

京都駅を起点としてまわるとしたら、①銅閣寺→②銀閣寺→③金閣寺の順にすべてバスを使うと分かりやすくて便利。まず京都駅から206番のバスで「東山安井」下車、徒歩約7分ほどで銅閣寺に到着します。

その後「祇園」バス停まで歩き、203番に乗って「錦林車庫前」で下車。哲学の道などを歩きながら約15分で銀閣寺へ。ラストは「銀閣寺道」バス停から204番の北大路方面で「金閣寺道」を降りて約3分歩くと金閣寺です!この3路線は比較的運行本数のあるバスなので、他の観光地と併せて利用してみてくださいね。


今回は、京都の金・銀・銅閣寺の歴史や名前の由来についてご紹介させて頂きました。
全てまわれたら達成感とご利益がありそうなので、京都観光ルートにお悩みの方は是非行ってみてください。