京都でお抹茶が味わえるお寺5選|庭園を眺めながら過ごす、静かなひととき

KYOTREAT編集部

京都には、拝観と一緒に境内でお抹茶をいただける寺院が数多くあります。青もみじや紅葉、苔むした庭園を眺めながら一服の抹茶を味わう時間は、京都らしい風情をゆっくりと感じられる贅沢なひとときです。

今回は、庭園と抹茶をあわせて楽しめるお寺を5か所ご紹介します。拝観料や抹茶の料金、アクセス方法など、訪問前に知っておきたい情報もまとめました。

※記事内の拝観料・時間・アクセス情報は取材時点のものです。寺院の拝観時間や料金、抹茶の提供状況は季節や特別拝観の有無によって変更されることがあります。お出かけ前に必ず公式サイトなどで最新情報をご確認ください。

■蓮華寺(れんげじ)|洛北の静けさと石川丈山作の庭園

写真:写真AC

特徴

天台宗の寺院で、もとは七条通にありましたが、江戸時代初期の寛文2年(1662年)、加賀藩の家老・今枝近義(いまえだ ちかよし)が父の菩提を弔うために現在の左京区上高野の地へ移し、再興しました。再興にあたっては石川丈山や狩野探幽、隠元禅師といった当時の著名な文化人が協力したと伝わります。

境内の見どころは、六角形の急勾配の笠をつけた「蓮華寺型石灯籠」。江戸時代の茶人たちに好まれた形とされ、庭園の景観に趣を添えています。庭園は石川丈山作と伝わる池泉回遊式で、初夏の青もみじ、秋の紅葉と苔の対比が美しいことで知られています。参道脇には約3000体の石仏が並び、これは京都市電の敷設工事の際に発掘されたものだそうです。

拝観受付を済ませると、書院から庭園を眺めながら抹茶をいただくことができます。

基本情報

項目内容
住所京都市左京区上高野八幡町1
拝観時間9:00〜17:00
拝観料大人500円
アクセス叡山電鉄「三宅八幡」駅より徒歩約7分/京都バス「上橋」下車すぐ
公式HPなし

ワンポイント:拝観者数を制限して静けさを保っているお寺のため、比較的落ち着いて過ごせます。紅葉シーズンや青もみじの季節は特に人気が高まるので、早めの時間帯の訪問がおすすめです。

■長楽寺(ちょうらくじ)|円山公園奥にひそむ『平家物語』ゆかりの寺

写真:写真AC

特徴

延暦24年(805年)、桓武天皇の勅命を受けた伝教大師最澄が延暦寺の別院として開いたのが始まりとされる古刹です。文治元年(1185年)には、壇ノ浦の戦いの後に出家した建礼門院(平清盛の娘・徳子)がこの寺で出家したと伝えられ、『平家物語』の世界を今に伝える寺院として知られています。

円山公園の賑わいを抜けてさらに奥へ進むと現れる、静寂に包まれた境内が魅力。室町時代の絵師・相阿弥作と伝わる庭園を眺めながら、客殿の畳の間でお抹茶をいただけます。

基本情報

項目内容
住所京都市東山区円山町626
拝観時間9:00〜17:00(木曜定休、特別拝観期間を除く)
拝観料大人800円(春・秋の特別拝観期間は変動あり)
抹茶体験お点前付きの抹茶体験あり(別途予約・料金)
アクセス市バス「祇園」下車徒歩約10分
公式サイトhttps://www.chorakuji.or.jp/

ワンポイント:拝観時間や特別拝観の実施期間、抹茶お点前体験の料金は時期によって変わります。訪問前に公式サイトで最新の開門情報を確認するのが安心です。

■平等院(びょうどういん)|世界遺産で味わう本場・宇治の抹茶

写真:写真AC

特徴

平安時代後期、藤原道長の別荘を息子・頼通が寺に改めて創建した平等院。国宝の阿弥陀堂は、その姿が翼を広げた鳳凰のように見えることから「鳳凰堂」と呼ばれ、10円硬貨の意匠にも採用されていることで広く知られています。世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産のひとつです。

境内にある「茶房 藤花(とうか)」では、宇治市内・宇治近郊で収穫された茶葉を100%使用したオリジナルブレンドの宇治茶を、専属の日本茶インストラクターが丁寧に淹れてくれます。抹茶をはじめ玉露や煎茶も味わえ、すべてのメニューに平等院オリジナルの和菓子が付きます。

写真:写真AC

基本情報

項目内容
住所京都府宇治市宇治蓮華116
庭園拝観時間8:45〜17:30(受付終了17:15)
ミュージアム鳳翔館9:00〜17:00(受付終了16:45)
拝観料庭園+ミュージアム鳳翔館:大人700円/中高生400円/小学生300円(鳳凰堂内部拝観は別途)
茶房 藤花 営業時間10:00〜16:30(ラストオーダー16:00)
アクセスJR奈良線「宇治」駅より徒歩約10分/京阪宇治線「宇治」駅より徒歩約10分
公式サイトhttps://www.byodoin.or.jp/

ワンポイント:鳳凰堂の内部拝観は先着順・20分毎に定員制のため、内部も見たい場合は午前中の早い時間の訪問がおすすめです。藤の見頃(4月下旬〜5月上旬)は特に混雑します。

■雲龍院(うんりゅういん)|皇室ゆかりの書院で味わう静寂の一服

写真:写真AC

特徴

写真:写真AC

応安5年(1372年)、北朝第4代・後光厳天皇の勅願により創建された、泉涌寺の別格本山。歴代天皇の信仰が篤く、皇室ゆかりの寺院として知られています。夏は新緑、秋は紅葉の名所としても人気です。

見どころは庭園を囲むように配された5つの書院。中でも最も広い「大輪の間」からの中庭の眺めは格別で、建物の床が通常より低く作られているため、庭との一体感を近くで感じられます。雪見障子越しに4つの異なる景色を切り取って見せる「色紙の景色」も雲龍院ならではの趣向です。鎌倉時代作と伝わる「走り大黒天像」や、徳川慶喜が寄進した石灯籠も見逃せません。

庭園を望む書院で、点て出しの抹茶をいただくことができます。

基本情報

項目内容
住所京都市東山区泉涌寺山内町36
拝観時間9:00〜17:00(受付終了16:30)、水曜定休(11月は無休)
拝観料400円(抹茶付きは900円)
写経体験1,500円(拝観料・抹茶・菓子込み、受付9:00〜15:00頃)
アクセス市バス「泉涌寺道」下車徒歩約15分/JR・京阪「東福寺」駅より徒歩約20分
公式サイトhttps://www.unryuin.jp/

ワンポイント:本山である泉涌寺の拝観エリアとは別料金・別受付です。写経体験も人気のため、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。

■圓徳院(えんとくいん)|ねねが晩年を過ごした桃山文化の邸宅

写真:写真AC

特徴

寛永9年(1632年)創建、臨済宗建仁寺派・高台寺の塔頭です。豊臣秀吉の正室・北政所ねねが、秀吉の没後19年間の余生を過ごした地として知られています。

伏見城にあった化粧御殿の前庭を移したと伝わる「北庭」は、豪快な石組みが桃山時代の様式を今に伝える国指定名勝。客殿には長谷川等伯筆の重要文化財「山水図襖」もあり、桃山文化の粋を間近で鑑賞できます。北庭を望みながら、木曜日を除く平日を中心に抹茶と和菓子の接待を受けられます(提供日は変動することがあるため要確認)。写経・写仏・枯山水体験などの禅寺体験も、拝観料のみで気軽に参加できます。

写真:写真AC

写真:写真AC

基本情報

項目内容
住所京都市東山区下河原町530
拝観時間10:00〜17:00(受付終了、17:30閉門)
拝観料大人500円/中高生200円(掌美術館の入館料を含む)
抹茶別途500円程度(庭園を眺めながらいただける)
お得な共通券高台寺・掌美術館・圓徳院の3館共通拝観券900円
アクセス市バス「東山安井」下車徒歩約4〜5分
公式サイトhttps://www.kodaiji.com/entoku-in/

ワンポイント:向かいにある高台寺とセットで拝観すると、共通券がお得です。抹茶接待の実施日・時間は変動することがあるため、事前に公式サイトまたは電話で確認しておくと安心です。

■京都のお寺で抹茶をいただく際に知っておきたいこと

  • 拝観料と抹茶代は別料金のことが多い
    多くの寺院では拝観料と抹茶(お点前・お菓子付き)の料金が別立てになっています。合計金額を事前に確認しておくとスムーズです。
  • 定休日・特別拝観に注意
    長楽寺の木曜定休、雲龍院の水曜定休(11月除く)など、曜日によって拝観を休止する寺院があります。旅程を組む前に必ず確認しましょう。
  • 写真撮影のルール
    庭園内は撮影可でも、本堂や襖絵など撮影禁止のエリアがある寺院が多くあります。案内表示や係員の指示に従いましょう。
  • 服装・所作
    畳の書院で抹茶をいただく場合が多いため、脱ぎ履きしやすい靴で訪れるのがおすすめです。正座が難しい場合は、椅子席の有無を事前に確認すると安心です。
  • 混雑と所要時間
    紅葉・青もみじのハイシーズンは特に混み合います。抹茶をゆっくり味わいたい場合は、開門直後や平日の午前中を狙うのがおすすめです。

■まとめ

今回ご紹介した5つの寺院は、いずれも歴史的な背景を持ちながら、庭園と抹茶をあわせて楽しめる贅沢なスポットです。蓮華寺や長楽寺の静けさ、宇治・平等院の本格的な宇治茶、雲龍院の書院からの眺め、そして圓徳院で感じる桃山文化——それぞれに異なる魅力があります。

拝観料や抹茶の提供状況は変更されることがあるため、訪問前には必ず公式サイトで最新情報をチェックし、京都らしい一服のひとときを楽しんでください。