純喫茶に駄菓子、手漕ぎボート?!京都で巡りたいレトロスポット4選

KYOTREAT編集部

京都を代表する四条河原町の純喫茶「築地」に足を運んだ際に筆者が驚いたのは、その利用客のほとんどが20代前後の若者なこと!
そんな純喫茶ブームを筆頭に、令和の若者たちが知らない「昔ながらのスポット」が彼らには新鮮に映り、また脚光を浴びていることをご存知でしょうか?
京都には、流行り廃りに左右されないレトロで居心地の良い場所が沢山。
そこで今回は次の京都観光のテーマにしたい、古き良き時間を過ごせるスポットをご案内していきます!

目次

■フランソア喫茶室

■琴ヶ瀬茶屋

■東華菜館

■船はし屋

■まとめ

■フランソア喫茶室

写真  https://www.francois1934.com/

まずはじめにご紹介したいのが、京都の王道純喫茶として外せない「フランソア喫茶室」
四条の高瀬川沿いにひっそりと佇むこちらは、1934年9月に京都市四条木屋町を下ったところの町家を改装して開業されました。
当時は戦争真っ只中、人々は苦しい生活を送り不自由な環境で過ごしていましたが、そんな中でもこの喫茶店は未来や文学、芸術、平和について話せる「自由のオアシス」として人々が集っていたのだそう。
その文化は喫茶店という形で現代にも受け継がれ続け、連日多くの人が訪れます。
またお店の名前は画家のフランソア・ミレーにちなんで名付けられました。

○フランソア喫茶室の魅力

1.インテリアが素敵

写真  https://www.francois1934.com/

フランソア喫茶室は普通の喫茶店ではありません。
まるで豪華客船の中のような店内は、イタリアンバロックを基調とした上品な雰囲気。それもそのはず、大型客船「コンテヴェルデ(緑の伯爵)号」のホールがモデルとなっています。
設計デザインは当時、京都大学に在学していたイタリア人のアレッサンドロ・ベンチベニと画家の高木四郎、友人のドナルド・キーンなどが手がけており、2003年には喫茶店として日本ではじめて国の有形文化財(建造物)に指定されています。また2021年には京セラ美術館で開催された「モダン建築の京都」でも紹介されました。
印象的なアーチ状のステンドグラス窓は高木四郎の作品で、虹色の光が穏やかに差し込む店内は、白いドーム型の天井、モナ・リザの複製画やアンティーク感溢れるランプ、赤いビロード地の椅子などが配され、ゴージャスな気分をより一層高めてくれます。
オープン当初、レジカウンター奥には大型の蓄音機とたくさんのレコードが置かれていたんだとか。
内装は1941年に大規模な改装して以降、ほぼそのままの状態を守り続けています。
静かに流れるクラシック音楽に耳を傾けながら、非日常を過ごしたいという方におすすめです。

2.味も人気

フランソア喫茶室は、トーストやケーキ、アイスクリームなどが人気。バニラアイスクリームは、チョコソースまたはキャラメルソースから選ぶことができます。
アイスコーヒーもミルクかクリームを選べます。
ケーキは見た目はシンプルなのに味はしっかりとしており、どれも上品な味になっています。

メニューは以下の通りです。
「本日のケーキ」は、複数のケーキの中から1つ選ぶことができますよ。

【コーヒー】
・コーヒー(フレッシュクリーム、ブラック)
・アメリカンコーヒー
・カフェオレ
・ウィンナーコーヒー
・ブランデーコーヒー(ヘネシー)
・アイリッシュコーヒー
・コーヒーフロート

【紅茶】
・紅茶(ストレート、ミルク、レモン)
・アップルティー(フォーション)
・ロイヤルミルクティー
・キュラソーティー(グラン、マルニエ)
・ウィスキーティー(スコッチ)
・ティーフロート

【お飲み物】
・ココア(ホット、アイス)
・ココアフロート
・ミルク(ホット、アイス)
・トマトジュース
・ゆずジュース(ホット、アイス)
・ラフランスジュース(山形県産)
・巨峰葡萄ジュース(長野県産)
・ジンジャエール
・ゆずスカッシュ
・クリームソーダ

【お菓子】
・ケーキセット(コーヒーまたは紅茶)
・本日のケーキ
・バニラアイスクリーム
・コーヒーゼリー
・ワインゼリー
・特製プリン

【トースト・サンドイッチ】
・シナモンシュガートースト(サラダ付き)
・チーズトースト(サラダ付き)
・ハムチーズトースト(サラダ付き)
・ピザトースト(サラダ付き)
・玉子サンドイッチ
・野菜サンドイッチ
・ハムサンドイッチ

【洋酒】
・ビール(エビスプレミアム)
・スタウトビール(ギネス)
・ウイスキー(オールド、パー)
・ブランデー(ヘネシー)

○フランソア喫茶室の口コミ

写真  https://www.francois1934.com/

フランソワ喫茶店の口コミを見てみましょう。

・クラシカルそして文化財喫茶!昭和レトロあふれる京都の喫茶店で癒やされます。

・京阪電鉄四条祇園駅から4~5分くらい。当時のままのインテリアなど多くのものが見られる。バロック調の家具はまさにレトロ。

・バニラアイスクリームが美味しい。さっぱりとした牛乳というよりは、ぎゅっと濃厚なバニラアイス。甘いチョコレートソースをかける食べ方はレトロな感じで、逆に新鮮でした。

・ひっそりと佇むお店で前々からここでコーヒーとケーキ食べてみたいと思っていました。初来店でしたが、満席ですごい人気ぶり。良い思い出になりました。

・今回はレアチーズケーキ、洋梨のタルト、ベイクドチーズケーキの3種から選べるようでレアチーズケーキをコーヒーと一緒にオーダー。デンマーク産フレッシュチーズを使ったレアチーズケーキは程よい甘さと酸味、チーズのコクがあり最高でした。

・メニューはどの品もコーヒーとの相性が良く、美味しいです。圧倒的高級感で、まるで異世界へタイムスリップしたかのようでした。

・若き芸術家や音楽家、思想家などが集った喫茶店。京都昭和を代表する喫茶店で最高のひとときが過ごせます。

・喫茶店の建物として日本で初めて国の登録有形文化財に指定されたところ。ケーキもコーヒーも美味しかったです。

・京都だからこその喫茶店。でも中は時間がさかのぼったかのような空間。レトロな喫茶店に魅了されました。

・ケーキやトースト、どれも美味しい。見た目とこの味を求めて多くのお客さんがやって来るのでしょう。

・京都の中でもかなり古い喫茶店ではないだろうか。豪華な内装がなんとも美しい。

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■フランソア喫茶室
住所:京都市下京区西木屋町通四条下ル船頭町184
アクセス:京阪電鉄「祇園四条駅」より5分程度

HP:https://www.francois1934.com/

■琴ヶ瀬茶屋

写真  https://www.hozugawakudari.jp/kotogase

お次は、ド定番観光地・嵐山でも知る人ぞ知るお楽しみスポット「琴ヶ瀬茶屋」
見た目は若者が好みそうなオシャレな感じとは程遠い雰囲気の造りなのですが…100年以上の歴史があり、「船上のコンビニ」として親しまれ、数々のメディアでも取り上げられています。
創業は大正8年と100年以上の伝統があり、現在のオーナーは3代目なんだそう。お祭りの屋台のような外観のお店で提供されるリーズナブルな料理や飲み物を嵐山の景色眺めながら楽しめる感じがたまらない!と多くの人が訪れています。

○琴ヶ瀬茶屋の魅力

1.お店までの道のりが楽しい!

琴ヶ瀬茶屋は、お店にたどり着くまでの道のりも楽しめると話題になっています。
まず、お店に行くには京福電気鉄道嵐山本線の嵐山駅で下車してください。嵐山駅を降りると既に多くの観光客で賑わっていて、渡月橋に行けば外国人観光客の姿もたくさん。料亭や旅館、土産屋、カフェなどが立ち並ぶTHE・観光地の雰囲気を満喫しましょう。
渡月橋を歩いて10分もかからない、400m程を進んだところでお店の近くに到着。ここまでの道のりも嵐山観光気分で楽しめるのですが、特に楽しいのがここから。
実は琴ヶ瀬茶屋までにたどり着くには、なんと!手漕ぎボートに乗って来店しなくてはならないのです!
ここのお店は川を挟んだ対岸で営業しているので、ボートを自分で漕いでいくのが大きな特徴。
お店にたどり着くまでの心地よい疲労感と、川を渡り切ったあとの達成感を味わえますよ。

2.対岸を眺めながら一品料理を頂ける

写真  https://www.hozugawakudari.jp/kotogase

ボートからオープンな座敷に移動して、一品料理などを頂けます。嵐山と言えば高そうなイメージですが、リーズナブルな価格なのも嬉しいところ。イカ焼きや焼きそば、鍋焼きうどんなどのお料理から、みたらし団子やわらび餅などといった京都らしい甘味類も有ります。
缶ビールやチューハイレモンなどのアルコール類もあるので家族連れでもみんなで楽しめそう。お料理を味わいながら、対岸に望む嵐山の大自然や渓谷美を眺めれば癒されること間違いなしです。
お天気の良い日にお酒やおつまみ、スイーツを頂いてのんびりと過ごしてみてくださいね。

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■琴ヶ瀬茶屋
住所:京都府京都市西京区嵐山元録山町11
アクセス:京福電気鉄道嵐山本線「嵐山駅」より徒歩10分程度

HP:https://www.hozugawakudari.jp/kotogase

■東華菜館

写真 https://www.tohkasaikan.com/

京都を代表する繁華街・四条河原町近くの鴨川に架かる四条大橋を歩いたことはありますか?そんな橋のたもとにひと際レトロな雰囲気を放つ建物があるのをご存知でしょうか。
その正体が、これからご紹介する「東華菜館」です。
「東華菜館」は名前からもなんとなくお分かりかもしれませんが、本格的な北京料理を味わえるレストラン。京都の北京料理屋さんの中でも特に有名で、地元の方にはよく知られるお店です。
ここは個室や一般客席、宴会場が用意されており、どの部屋もレトロな雰囲気。まるで古き良き中国のお屋敷にタイムスリップしたかのような空間で、コース料理やエビチリやヤキブタ、八宝菜などの一品料理を頂くことができます。
またお持ち帰りやネットショップもあるので、お店に行かずとも本格中華が味わえると話題になりましたが、観光に来たのならぜひお店に訪れて体験してほしいものがあります!
それが何かというと、現存する日本最古のアレ、なんです…!

○東華菜館の魅力

1.日本最古のエレベーターが凄い!

写真 https://www.tohkasaikan.com/

1926年にオープンした東華菜館。
リーズナブルでありながら本格的な北京料理が味わえると有名ですが、数々のメディアにも取り上げられ知られているのが「エレベーター」です。
このお店で今もなお、お客さんを運ぶ現役のエレベーターは日本最古の蛇腹のエレベーターなのです。
レトロ感漂うエレベーターは、まるでアトラクションに乗るかのような高揚感があります。
赤色の絨毯が敷かれたエレベーターの中には「200LBS」という見慣れない表示が。これを見ると外国製なことが分かると思いますが、LBSはポンドの意味があり、日本で言う重量表示になっています。
床には金色の丸いボタンがあり、こちらを踏むと外側の扉のロックが解除されるそうです。
エレベーターの扉の上には、どこか懐かしい時計針になったフロアの階数が分かるものが設置されています。数字の間隔が不均一なのは、フロアごとに高さが違うからなんだとか。
エレベーターに乗り込むとスタッフが手動でガシャンガシャン、と蛇腹の扉を閉じるのですが、その音もなんとも時代を感じさせます。
80年以上稼働し続ける日本で最も古いエレベーターは、現在でもスタッフによって操作され、多くのお客さんを乗せています。
レストランを訪れた際には、その歴史と乗り心地を体感してみてください。

2.ロマンを感じさせる外観や内装が凄い!

写真 https://www.tohkasaikan.com/

ヴォーリズという建築家が建てたこの建物は、お店に入る前から外観になんともこだわりを感じられます。
四条大橋を渡ったことがある方も、「あの建物、一体なんだろう…?」一度は目を奪われたことがあるはず。
この繊細な彫刻の装飾は、海の幸や山の幸の食材が題材になっており、建物自体が登録有形文化財に指定されています。
アニメや映画、ドラマにも登場したことがあるので、一度はじっくりと眺めてみてくださいね。
またレストランの中の内装にもこだわりが散りばめられています。
モダン建築のインテリアは時代を感じさせるものばかりで、まるで博物館にやってきたかのような錯覚に陥ります。
お料理はもちろんのこと、インテリアも余すことなく堪能しましょう。

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■東華菜館
住所:京都府京都市下京区西石垣通四条下ル斎藤町140-2
アクセス:「祇園四条駅」より徒歩5分程度

HP:https://www.tohkasaikan.com/

■船はし屋

写真  http://www.funahashiya.jp/

最後にご紹介するのが、昔ながらの駄菓子屋さんとして親しまれる「船はし屋」
駄菓子屋さんと言えば遠足前に駄菓子を選ぶのが楽しかった!というエピソードもあるかもしれませんが、今ドキの若者からすると「ん?」となってしまうのでしょうか。
こちらは京都の四条河原町、藤井大丸のほど近くで1938年に創業した、ざっくり計算しても80年以上の歴史があるお店です。地元の子どもたちだけでなく外国人観光客からも愛されています。
他では手に入らないような珍しい駄菓子から有名なものまで、誰しもの目が輝いてしまう夢中になれる駄菓子を数多く取り揃えています。

○船はし屋の魅力

1.懐かしい駄菓子がたくさん!

写真  http://www.funahashiya.jp/

四条河原町の交差点からも近く、ショッピングや観光の帰りにも子連れで楽しめる「船はし屋」。
駄菓子は2000アイテム以上を揃え、ラムネやスルメ、チョコ…と言った王道の駄菓子からお面やスーパーボール、風車、ビー玉、おはじき、お手玉など駄菓子屋さんらしいものがたくさん店頭に並びます。
筆者が個人的にオススメなのは「知育菓子」。ただ食べるだけでなく、食べるまでの工程を楽しむことができるお菓子で、お寿司やパン、ドーナツなど…お菓子を想像して作ってその体験を通して学ぶことができます。
手先を使って作るお菓子なので、幼稚園のお子さんから小学生くらいのお子さんに人気があるそうです。様々な種類があるので、ぜひ手に取ってみてください。

2.お会計のときの○○が凄い!

駄菓子を買うときに、是非見て頂きたいのがお会計のとき。
お店の方は、どの駄菓子を購入するときも値段を暗記しており、スピード暗算のように計算をしてくれます。現代的な方法ではないのに、物凄い暗算力で素早くお会計が済んでしまうので必見です。たくさんの修学旅行の子どもたちが訪れて大賑わいでも、とてつもない速さですよ!
すべての方におもてなしの心を提供してくれる優しい対応に、きっと来店するだけでワクワク感を感じたり、幸せな気持ちになれたりしそうです。

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■船はし屋
住所:京都市下京区寺町通綾小路下る中之町570
アクセス:四条河原町駅より徒歩5分程度

HP:http://www.funahashiya.jp/

■まとめ

昔の良さを知る世代にはその懐かしさが刺さり、若い世代を新鮮な気持ちにさせてくれる「レトロスポット」。京都のお寺や神社なども趣きがありますが、その時代の日常や文化が垣間見える場所に足を運んで、観光だけでは味わうことのできない体験をしてみてくださいね。