【京都最古の洋菓子店】予約は数ヶ月〜1年待ちも。「村上開新堂」のクッキー缶とその魅力を徹底解説

KYOTREAT編集部

京都・寺町二条に佇む「村上開新堂(むらかみかいしんどう)」。クッキー、ロシアケーキ、好事福盧(こうずぶくろ)など、明治時代から変わらぬレシピで作られる洋菓子は、地元の人々はもちろん、全国のスイーツファンからも長年愛され続けています。

なかでも缶入りクッキーは「予約してから受け取りまで数ヶ月〜1年以上待つこともある」と言われるほどの人気ぶり。一体どんなお店で、どんなお菓子が販売されているのでしょうか。

今回は、京都観光メディアKYOTREATが、村上開新堂の歴史から商品ラインナップ、予約の実情、アクセス情報まで詳しくご紹介します。

 

村上開新堂とは?宮中に仕えた村上家がルーツの老舗

村上開新堂の歴史は、単なる「老舗洋菓子店」という言葉だけでは語りきれません。村上家はもともと奈良町の時代から京都に移り住み、代々宮中に仕えてきた家系でした。

創業者である村上清太郎は明治4年に皇居内で生まれ、伯父にあたる村上光保から洋菓子作りの技術を学びました。この光保という人物こそ、明治3年に宮内庁大膳職としてフランス人から横浜の外国人居留地で洋菓子技術を習得し、明治7年に東京・千代田区で「村上開新堂」を創業した人物です。つまり京都と東京の「村上開新堂」は、のれん分けというよりも親戚関係にあたるルーツを共有する間柄なのです(現在は経営が異なる別会社です)。

その後、清太郎は村上家発祥の地である京都に戻り、明治40年(1907年)9月15日、現在も店を構える寺町二条の地に西洋菓子舗として開業しました。以来、「クッキー、ロシアケーキ、好事福廬、寺町バニラプリン、マドレーヌなど、お菓子の製法や味などの伝統を守りながら、新しい価値への創作をする」という姿勢のもと、120年近くにわたり営業を続けています。 

戦前には各種博覧会の審査員を務めたほか、大正3年の東京大正博覧会では金杯を受賞し、大丸呉服店(現・大丸松坂屋)の食堂内の喫茶を任されるなど、京都村上開新堂が最も栄えた時代でもありました。人気商品「好事福盧」もこの大正後期に清太郎によって生み出され、作家・池波正太郎が愛したお菓子としても知られています。戦時中の砂糖配給制により一時休業を余儀なくされましたが、昭和26年に営業を再開しました。

 

レトロな洋館建築も見どころ

店舗の建物自体も一見の価値があります。昭和初期に建てられたこの建物は、表が木造漆喰の洋館、奥は和の日本建築という、当時としては大変珍しく贅沢な造りでした。板ガラスのドアやカーブを描くショーウインドウ、高い天井、大理石の柱などが当時のまま残されており、明治・大正の面影を色濃く残しています。また、店内に飾られた「開新堂」の書は、明治の三筆の一人とされる日下部鳴鶴の揮毫によるものです。 

ショーケースに並ぶクッキーやタイル張りの床など、店内はまさに「タイムスリップ」できる空間。歴史好きの旅行者や、レトロ建築を巡るのが好きな人にもおすすめのスポットです。

 

 

村上開新堂で販売されている商品

村上開新堂の主な商品は以下の通りです。

  • クッキー(缶入り、要予約)
  • ロシアケーキ
  • 好事福盧(こうずぶくろ)
  • オレンジゼリー(夏季限定)
  • 寺町バニラプリン
  • マドレーヌ
  • ダックワーズ
  • フロランタン
  • ガレット・ブルトンヌ

このうち、マドレーヌ・ダックワーズ・フロランタン・ガレット・ブルトンヌは「Maison de murakami by 京都村上開新堂」という姉妹ブランドの商品として展開されています。

・好事福盧(こうずぶくろ)

紀州みかんの皮をくり抜き、中にみかん風味のゼリーを詰めた、見た目も愛らしい一品。大正後期に清太郎が考案して以来、100年近く受け継がれる看板商品で、見た目のかわいらしさからSNSでも人気を集めています。

・ロシアケーキ

ソフトな生地の焼き菓子で、バターの風味とほどよい甘さが特徴。1種類ずつ購入できるため、食べ比べを楽しむ人も多い商品です。

・寺町バニラプリン

比較的新しく登場した人気商品で、なめらかな食感とバニラの香りが魅力。売り切れることも多いため、確実に食べたい場合は早めの来店がおすすめです。

・マドレーヌ・ダックワーズ・フロランタン・ガレット・ブルトンヌ

いずれもアーモンドやバターの風味を生かした焼き菓子。ダックワーズは外はカリッと中はふんわり、ガレット・ブルトンヌは塩気の効いたバター風味と、それぞれ異なる食感を楽しめます。

 

予約困難で話題の「クッキー缶」

村上開新堂の代名詞ともいえるのが、缶入りクッキーです。職人が手焼きで仕上げるクッキーが缶にぎっしりと詰められており、大缶(780g)と小缶(600g)の2サイズが用意され、いずれも要予約となっています。缶の中には11種類のクッキーが詰め合わされており、ピーナッツサブレ、シナモンサブレ、チョコレートクリームサンドなど、種類豊富な味を一缶で楽しめるのが魅力です。

 

予約方法と待ち期間について

村上開新堂のクッキーは、店頭または電話での予約制となっており、注文が殺到しているため、受け取りまでの期間は年々長くなる傾向にあります。過去の取材記事などによると、2021年頃は約4ヶ月待ち、最長でも6ヶ月程度とされていましたが、2025年に予約した人の例では受け取りまでおよそ1年かかったという報告もあり、時期によっては1年以上待つケースも見られます。

注意点として、待ち期間は時期や予約状況によって大きく変動します。 「〇ヶ月待ち」という情報はあくまで目安であり、最新の状況は来店時または電話で直接お店にご確認いただくことをおすすめします。

なお、店頭に並んでいても、予約なしにその場でクッキー缶を購入することはできません。旅行の日程に合わせて確実に手に入れたい場合は、事前に電話で問い合わせておくと安心です。

 

 

カフェスペースについて【重要・現在休業中】

村上開新堂は2017年、創業以来はじめての試みとして、店内にカフェスペースをオープンしました。築90年の日本建築をリノベートし、北欧のヴィンテージ家具や地元職人の器、錫のカウンター、和紙張りの個室など、トラディショナルかつモダンな雰囲気を楽しめる空間として、多くの人に親しまれてきました。

しかし、2026年10月現在、このカフェスペースは隣地の工事および改装のため休業中です。 公式サイトによると、再開は2027年春頃を予定しているとのことですが、改装の状況によって時期が前後する可能性も十分に考えられます。カフェでの飲食を目的にお店を訪れる予定の方は、事前に必ず公式サイトで最新の営業状況をご確認ください。

なお、店頭でのクッキーやロシアケーキなどの焼き菓子販売は、カフェの休業中も通常通り行われています。

 

 

京都・村上開新堂の基本情報

項目 内容
店名 京都村上開新堂
住所 〒604-0915 京都府京都市中京区寺町通二条上ル東側(常盤木町62)
電話番号 075-231-1058
営業時間(販売) 10:00〜18:00
カフェ 現在休業中(2026年秋頃再開予定)
定休日 日曜・祝日・第3月曜
アクセス(地下鉄) 東西線「京都市役所前」駅11番出口より徒歩4分/烏丸線「丸太町」駅7番出口より徒歩10分
アクセス(京阪) 京阪電車「三条」駅12番出口より徒歩10分
アクセス(バス) 市バス「京都市役所前」より徒歩4分/「河原町丸太町」より徒歩6分
公式サイト http://www.murakami-kaishindo.jp

※営業時間・定休日・予約状況は変更される場合があります。訪問前に公式サイトまたはお電話での最新情報のご確認をおすすめします。

 

 

まとめ

村上開新堂は、宮中に仕えた村上家をルーツに持ち、120年近い歴史を刻んできた京都最古級の洋菓子店です。看板商品のクッキー缶は数ヶ月〜1年待ちとなることもある人気ぶりですが、店頭では好事福盧やロシアケーキ、マドレーヌなど予約不要で購入できる商品も豊富に揃っています。

カフェスペースは現在休業中のため、訪問の際は焼き菓子のテイクアウトを中心に楽しむのがおすすめです。歴史あるレトロな洋館建築を眺めながら、明治から受け継がれる味をぜひ体験してみてください。