【大原の里】ってどこ?京都の激混み観光地を避けれる穴場スポットだった

KYOTREAT編集部

京都の中心地から北東に位置する「大原」という地名を聞いたことがありますか?
京都市内からバスやレンタカーで一時間前後の場所ながら、人里離れた昔ばなしに出てくるような雰囲気が残っていることもあり、ちょっとした日帰り旅行の地として人気があります。
大原で有名な1200年以上の歴史を持つ「三千院」と「寂光院」以外にも、大原の里には寺院や神社がいくつもあり、ゆるい坂を上ったり下ったりしていると思いがけない場所で素敵なスポットに出会えることも。
昔は大原にはあまり宿がなかったようですが、現在ではホテルや民宿もたくさんあるので、遠方からの旅行で京都に二泊以上する場合は、一日は大原に足を延ばしてみるのもオススメです。
今回はそんな大原の魅力を余すところなくご紹介していきます!
なんとなく知っていた人も、京都にこんな場所があるなんて知らなかった!という人も、これを読めば大原に行きたくなること間違いなし♪
どうぞ最後まで読んでみてくださいね。

目次

■ 大原 三千院

■ 大原 寂光院

脇道・坂道

大原の四季

  1. 春の大原
  2. 夏の大原
  3. 秋の大原
  4. 冬の大原

■ 大原名物 しば漬け

  1. 土井志ば漬本舗
  2. 辻しば漬本舗

■ さらに足を延ばせば琵琶湖へも

■大原 三千院

大原で代表的な寺院の一つ「三千院」は、昭和のヒット歌謡曲にも出てくるので、訪れたことがある方も多いのではないでしょうか。

写真 三千院 – 大原観光保勝会 (kyoto-ohara-kankouhosyoukai.net)

★三千院の歴史

写真  三千院 – 大原観光保勝会 (kyoto-ohara-kankouhosyoukai.net)

「三千院」は延暦年間(782‐806)に伝教大師最澄が比叡山東塔南谷(とうとうみなみだに)の山梨の大木の下に一宇を構えたことから、この地に精神的な存在としての根源が刻まれました。明治維新後、京都の地が変革を迎えた時代においても、三千院はその格式を維持し続けました。この時、現在の地である大原に移され「三千院」として1200年もの歴史を紡いでいます。

1200年にわたる歴史の中で、「三千院」は数多くの修復や再建を経験しましたが、その美しさと格式は変わることがありませんでした。広大な境内には、瀟洒な庭園や美しい建築物が広がり、日本の伝統的な美意識を感じさせます。
「三千院」はまた、仏教の宗派である真言宗の寺院でもあります。伝説によれば、最澄は比叡山に登る途中、大きな岩に「三千の姿」があらわれたことから、「三千院」と名付けられたといわれています。そのため、「三千院」は「三千の姿」を表すさまざまな仏像を有しており、仏教の教えや歴史を感じることができます。

そんな歴史ある「三千院」は、伝教大師最澄の創建時から現代まで、その格式や美しさを保ち続けています。歴代の住職や信仰者たちの努力によって守り続けられてきたこの寺院は、多くの人々に癒しと感動を与えてきました。
また、文化的なイベントや交流の場としても重要な存在であり、地域の中心地としての役割も果たしています。
「三千院」の壮大な歴史とその魅力は、今後も多くの人々に伝えられることでしょう。

★三千院の見どころ

写真  三千院 – 大原観光保勝会 (kyoto-ohara-kankouhosyoukai.net)

静寂の中を散策すれば、四季折々の美しい景色を背にたたずむ、「三千院」の様々な顔が見られます。建物だけではなく、背景の歴史や周囲の風景なども見ものです。

【わらべ地蔵石】

写真 大原の写真一覧 – じゃらんnet (jalan.net)

「三千院」の境内には、見どころの一つとして「わらべ地蔵」があります。

様々な地蔵を見つけて写真におさめるのも散策の楽しみの一つ。わらべ地蔵は、子供たちの安全や幸せを祈るために建てられた地蔵尊のことです。その姿は、子供らしい愛らしさと親しみやすさを感じさせますね。
境内には、さまざまな年齢や性別の子供たちの地蔵像が並べられており、それぞれが活き活きとした表情で描かれています。子供たちの願いや願望を象徴し、その思いに寄り添って願いをかなえる存在とされています。

写真 大原の写真一覧 – じゃらんnet (jalan.net)


訪れる人々は、わらべ地蔵に願い事ができます。特に子供たちは、健康や学業の成績向上、安全な成長など、自分自身や大切な人のために願いを捧げるそうです。

お参りする際には、手を合わせて心からの願いを込めることが大切。そのかわいらしい姿と祈りの意味は、訪れる人々に心の平安や希望をもたらし、家族や子供たちの幸せを願う場となっています。

【あじさい苑】

あじさい苑は、「三千院」の境内に位置し、約3000平方メートルもの広大なエリアに広がっています。

この苑は特に、梅雨時期の6月から7月にかけてが見頃で、数多くの紫陽花が次々に咲き、青や紫、ピンク、赤など美しい花が鮮やかに境内を彩ります。花の大きさや形状も異なるため、見る人々を多様な美しさで楽しませてくれますよ。

紫陽花の花が風に揺れる様子や、優雅な色彩のコントラストは、訪れる人々に心地よい癒しをもたらしてくれます。
このあじさい苑では梅雨の時期に「紫陽花祭り」を開催。この祭りでは、境内の紫陽花が一層華やかに飾られ、音楽の演奏や伝統的な行事が行われます。
「三千院」のあじさい苑は、花の美しさと心の安らぎを求める人々にとって、特別な場所なのです。

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■三千院
住所:京都市左京区大原来迎院町540
電話:075-744-2531

HP:http://www.sanzenin.or.jp/

大原 寂光院

「寂光院」は有名な「平家物語」の悲劇の女性・建礼門院が、わが子である安徳天皇の菩提を弔いながら余生(といってもお若かったので、余生と呼ぶにはあまりに長い……)を過ごした場所として有名です。

写真 寂光院 – 大原観光保勝会 (kyoto-ohara-kankouhosyoukai.net)

★寂光院の歴史

写真 寂光院 – 大原観光保勝会 (kyoto-ohara-kankouhosyoukai.net)

推古2(594)年に聖徳太子が父、用明天皇の菩提を弔うために建立されたと伝えられています。

戦国時代の戦乱や寺院への焼き討ちなどにより、一時は荒廃を経験。それでも、禅の教えと美の追求は絶えることなく受け継がれ、現在に至っています。

歴史上有名な、第3代の建礼門院(平清盛息女、高倉天皇中宮、安徳天皇母)は、文治元年(1185年)9月に入寺し真如覚比丘尼と称されました。源平の合戦に敗れた後、寂光院に侍女たちとともに閑居し、壇ノ浦で滅亡した平家一門と我が子安徳天皇の菩提を弔いながら、終生を過ごしました。

また、寂光院は日本の文化的な価値が認知され、国宝や重要文化財に指定されるなど、重要な文化財としての地位を築いています。そのため、寺院の保存と維持に取り組む活動も行われています。

★寂光院の見どころ

写真 寂光院 – 大原観光保勝会 (kyoto-ohara-kankouhosyoukai.net)

「三千院」とは逆方向に歩いていくと、「寂光院」に出られます。大原に来たら「三千院」と「寂光院」ははずせませんよね。自然と歴史が織り交ぜられた魅力的な場所として、多くの人々に愛されています。

【平家物語】

写真 寂光院 – 大原観光保勝会 (kyoto-ohara-kankouhosyoukai.net)

「寂光院」は平家物語ゆかりの寺として知られています。本堂前西側の風情ある庭園も物語に描かれ、灌頂巻の「大原御幸」では、文治2年(1186)の春、建礼門院が翠黛山(本堂正面に対座する山)の花摘みから帰って来て、後白河法皇と対面するところにも登場します。


建礼門院は当初、突然の法皇の訪問に戸惑ったが、大原女とゆかりのある侍女の阿波内侍に促されて対面し、
女院は法皇に、壇ノ浦での平家の最期や、数奇な運命を辿った身の上などを語り、平家一門の栄華と滅亡を描いたこの壮大な物語の最後を飾っています。

境内では、自然と調和した平家物語の世界を感じる事が出来ます。

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■寂光院
住所:京都市左京区大原草生町676
電話:075-744-3341

HP:https://www.jakkoin.jp/

■脇道・坂道

大原に到着したらぜひ歩いてみて下さい。歩かないと見つからないような小さな神社、ちょっとした脇道、坂道を発見するのも醍醐味ではないかと。

写真 KYOTREAT編集部

「三千院」と「寂光院」はたいへん有名ですが、他にももちろんたくさんのお寺や神社があります。

大原には歴史的な寺院と文化遺産が点在していて、寺社以外にも、川、滝、清水や平家物語の時代がお好きな方には興味深い人物のお墓なども見つかります。

写真 https://imahachi.com/24kinki/ohara/

大原の周辺には歩いて探索できる町並みが広がっており、昔ながらの京都の雰囲気を存分に楽しむことができます。

★「響の道」

写真 kyoto-ohara-kankouhosyoukai.net

「響の道」は、大原から「三千院」に至る約2キロメートルの散策コースです。
名前の由来は、かつてこの道を歩くと、足音が木々に響いていたことから名付けられたんだとか。

その静かな音を楽しみながら自然の中を歩けば、心地よい風景を楽しむことができますよ。

★「花の道」

写真 https://kyoto-ohara-kankouhosyoukai.net/hananomichi/

お次は建礼門院が暮らした「寂光院」へと続くルートです。

「大原女の小径」では、毎年4月下旬に実施されている「大原女まつり」において、大原女の時代行列が巡行します。時代ごとに異なる大原女装束を着た女性たちが「寂光院」から「三千院」までを巡行するのが見どころです。

【大原女(おおはらめ)】

写真 https://kyoto-ohara-kankouhosyoukai.net/oharame/

大原女とは江戸時代、頭に「柴」を乗せて京の町へ行商に出かけた、大原の働く女性のことです。
平安時代の大原女は「炭」を、室町時代には「薪」を扱い、「京都三大祭り」の1つ「時代祭」にも登場します。昭和の時代には、リヤカーで「しば漬け」を売り歩く形に変わっていったようです。

■大原の四季

京都の大原は、日本の伝統と自然の美しさが見事に融合した魅力的な里山です。美しい庭園があり、四季折々の草花や紅葉が楽しめます。季節ごとに移り変わる日本の美意識を感じてみてはいかがでしょうか。

都心の喧騒から離れた静かな環境が迎えてくれます。石畳の小道を歩きながら、鳥のさえずりや風のそよぎを聞きながら、日常の喧騒から解放されましょう。

写真 https://www.mapple.net/photos/90033/298459/

桜の京都は格別です。

紅葉の京都も素敵ですね。

じりじり暑い夏の京都も。

しんしんと冷える冬の京都も、マニアックな魅力があります。


大原は、筆者の好みでは秋がいちばん。
そちこちに見られるコスモスの花。見事な紅葉というほどでもなくても、枯れた風情の木々も趣があります。

写真 https://iten.kyoto-ohara-kankouhosyoukai.net/wp-content/uploads/old/2018/12/IMG_1272.jpg

こちらは「うめまつり」という昭和のフォークグループの「大原の里」という歌に出てくる「呂川」です。

「ろがわ」、「りょせん」、両方に読むのでしょうか?その周囲には名もない……名はあるのかもしれませんが、小さな川もほうぼうに。
「は~るの小川はさらさらいくよ」のころの大原もいいですね。たんぽぽやつくしや可憐な野の花。都会では味わえない風景も素晴らしいです。特に夏には涼しい風が吹き抜け、涼を楽しむこともできます。


大原観光ガイド的な本やサイトの執筆者の方によって、いつの季節がいいとの意見も様々ですので、四季すべてに訪れて好みの季節を探せたら最高ですよね。

1. 春の大原 「三千院」の枝垂れ桜

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春といえば、桜。京都の桜は今や世界的に有名になりましたね。今年は違う景色を見てみたいという方に、穴場と呼んでも良いのではないかというのが、「大原 三千院」の枝垂れ桜。山門前や奥の院で鑑賞出来ます。例年の見頃は4月中旬頃ですが、お出かけになる際に最新情報をご確認ください。

2. 夏の大原 「赤しそ法要」

写真 https://kyoto-ohara-kankouhosyoukai.net/info/6404/


7月には大原の名産品の1つ「しば漬」の原料である赤しそ畑の葉が茂り、「赤紫蘇(あかしそ)」積み体験や販売が始まります。
また7月1日には、「 寂光院」にて「赤しそ法要」が行われます。「しば漬け」は、「三千院」の僧侶・聖応大師が発案したとされ、その名前の由来は建礼門院にあると伝わります。大原の寂光院に閑居していた建礼門院に、地元民がしそを使った漬物を献上したところ、その味にたいそう喜んだといいます。そして、あざやかな紫色にちなんで「紫葉漬け(むらさきはづけ」と名付けられました。
「しば漬発祥の地」である「寂光院」ではその年の赤しそをお供えし、豊作と地域の繁栄、安全、健康を願います。参拝者も参列可能ですので、タイミングを合わせてお出かけしてみるのも良いかもしれません。

3. 秋の大原 「宝泉院」の額縁庭園

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桜の京都と並んで、世界各国から観光客が訪れるのが紅葉の京都です。季節もよく、秋の行楽シーズンとなります。樹齢700年といわれる近江富士をかたどった名木がある、大原の「宝泉院」の客殿から望む額縁庭園の眺めは格別です。
見頃は例年11月中旬から下旬頃で、コロナ禍前までは紅葉のライトアップ夜間拝観も行われていましたが、2023年は再開するのか、要チェックです。

4. 冬の大原 「初午 大根焚き」

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大原では里山の冬が体感できます。雪が降り積もるとまた風情があります。歴史と文化が息づく大原は、訪れる人々に心温まる体験をもたらし、日本の魅力を感じさせる特別な場所です。
冬の大原野菜が目的で訪れるのもまた良しです。
例年、2月の半ばには「三千院」で「初午 大根焚き(はつうま だいこんだき)」が行われ、参拝者をもてなしてくれます。こちら「幸せを呼ぶ大根焚き」とも呼ばれ、出世金色不動明王のご加護とご利益をいただけるよう、特別祈祷の大根を味わっていただき、参拝者の皆様共々、無病息災、開運招福をお祈りしましょうという趣旨があります。あつあつの大根で、幸先のよい年を祈願するのに最適ですね。

■大原名物 しば漬け

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お寺はあまり興味ないな~、という方でも、昔からある土産物屋さんや、新しくできたカフェ、しば漬けや民芸品を売る店など思わず足が止まりそうなスポットもたくさんありますよ。
大原は「しば漬け」が名物で、あちこちのお店で販売しています。中には創業何十年といったお店も。そんなお店の方から、昭和時代の大原のお話が聞けるかもしれません。

1. 土井志ば漬本舗

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明治34年(1901年)に創業、すでに創業から100年以上を超える老舗で全国展開されているこちらのお店の本店は大原にあります。京都駅にも支店がありますが、やはり「しば漬け」の里でお土産を買うのはオツなもの。お土産話にも花が咲きそうですね。

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レストラン「竈炊き立てごはん𡈽井」も併設されているので、ホッコリ美味しいご飯とおかずに「しば漬け」の贅沢を味わってみて下さい。

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■土井志ば漬本舗
住所:京都市左京区八瀬花尻町41
電話:075-744-2311

HP:https://www.doishibazuke.co.jp/shop/123/

2. 辻しば漬本舗

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写真 大原の生しば漬について | 辻しば漬本舗-京都 大原から全国へ しば漬など、お漬物のネット通販 (tsujishiba.com)

「風の道」にある「辻しば漬本舗」は、しその栽培から漬込み、販売までを一貫し製造するお店。
製造元が限られた、現在では希少な大原の「生しば漬け」も購入出来ます。ナスと赤しそを塩のみで漬け込んだ素朴なお味は、乳酸発酵を生かした酸味が特徴です。

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■辻しば漬本舗
住所:京都府京都市左京区大原上野町483
電話:075-744-2839

HP:https://tsujishiba.com/

■ さらに足を延ばせば琵琶湖へも

さらに足を延ばせば滋賀県に入ります。別の県ですがお隣の県の滋賀は京都から行きやすく、もちろん琵琶湖も見られます。
雄大でピースフルな琵琶湖は、いつ訪れても癒されます。滋賀の真ん中にデンっと鎮座しているので、どこを走っていても顔を出してくれて、なんだかホッとします。
夏には海水浴はもちろん、近くのロッジでキャンプや、バーベキュー、お子様連れ旅にも近年人気上昇中です。8月には大津の琵琶湖花火大会も開催され、来場者で賑わいます。
レンタカーで行かれる場合は、オススメの立ち寄りプランです。大原観光のあと、滋賀で1泊もありですね♪

■まとめ

大原の里、いかがでしたでしょうか?次の京都はどこに行こうかな?のアイデアの1つに加えて頂けたら嬉しいです。
京都市中心部の観光地とはまた違う里山の魅力があり、京都市も広いんだなぁと感じられるかも。
大原は地元の伝統的な料理屋さんやお茶屋さんも多く、地元の味覚や文化に触れる機会が豊富です。
大原で大原女に触れて、秋に行われる「京都三大祭り」の1つ、「時代祭」にも登場する彼女達を見に行くのもより感慨深いものがあるかもしれませんね。
緑豊かな大自然に囲まれ、四季折々に違う景色が楽しめますので、時期に合わせてぜひ計画を立ててみてください。