京都はパンの消費量が多く、おいしいパン屋さんが多いことで知られています。
レトロ系、ハード系、デニッシュ系など様々な特徴のあるパン屋さんがひしめく中、今回はオーストリアとドイツのパンの名店にスポットを当てたいと思います。
■リニューアルしたての話題のお店へ
1つ目のお店は「ホーフベッカライ エーデッガー・タックス」です。
みやこめっせに向かう道すがら人だかりができていて、看板を見ると“ハプスブルク家御用達ベーカリー”の文字が!吸い込まれるようにお店に入ってしまいました(笑)
どうやら、2022年9月2日にリニューアルオープンしたばかりとのこと。
店内に入ると、「さすがはハプスブルク家!」と感じさせる重厚なインテリア。
ショッピングバッグも気品あふれるデザイン。
期待感が高まります~。
「ホーフベッカライ エーデッガー・タックス」は、1569年にオーストリアの古都グラーツで創業した老舗ベーカリーです。1888年にハプスブルク帝国の皇帝からホーフベッカライ(王家御用達ベーカリー)の称号を与えられ、ヨーロッパ食文化の伝統を守り続けているベーカリーです。
今回が初めてのお買い物なので、ベーシックなアイテムを購入してみました。
15:00頃だったので、あいにく狙っていたプレッツェルは品切れでした。
写真右側は「キプフェル」。
オーストリアがトルコ軍を破り、トルコの象徴である「三日月を食べる」という意味合いで勝利を祝って焼かれた三日月型のパンで、クロワッサンの原型なのだとか。
密度が詰まっている感じのしっかりとした食感で、素朴ながら濃厚な小麦の風味が感じられました。
中央はこちらのお店の看板商品「ハンドカイザー」。職人がひとつひとつ手で成形して、皇帝の王冠をかたどった独特の形のパンです。
トースターで軽く温めたところ、外側はパリッ。中はきめ細やかでもっちり食感。シンプルなだけに丁寧に作られている上質感が伝わってきます。プレーン、ゴマ、けしの実、チーズの4種類があります。
左側のパンは「クロワッサン」。こちらもトースターで軽くあたためます。
外側はパリっとしていて、噛みしめるとたくさんの層が折り重なりサックサク!
程良いバターの香りとコクの中に感じられる上質な小麦の風味とほのかな甘みがたまりません。
甘みのあるタイプも試したかったので、「クグロフ」もいただいてみました。
こちらは、マリー・アントワネットの好物だったのだとか。
王冠型に焼き上げられた生地の中にはクルミ、レーズン、オレンジがたっぷり入っていて、程よくバター風味。コーヒーとぴったりでした。
サンドイッチやケーキのショーケースもあり、色とりどりのケーキが並んでいました。
イチオシは「ザッハトルテ」のようですので、次回ぜひいただきたいものです!
また、コンフィチュールや焼菓子などもあるので、お土産やギフトにもよいですね。
オンラインショップもあるので、是非チェックしてみてください。
店名:ホーフベッカライ エーデッガー・タックス
HP:https://edegger-tax.jp/
住所:京都府京都市左京区岡崎成勝寺町3-2
電話:075-746-6875(予約・取り置き専用)
■京都でも珍しいドイツパン専門店
もう1つのお店はドイツパン専門店「ベッカライ・ペルケオ」で、こちらも岡崎エリアにあります。
オーナーは、ドイツご出身のジョニーさんと京都出身のマリコさんご夫妻です。
お2人はドイツ・ヴァインハイムにある国立製パン学校で出会い、2009年ドイツパンの最高資格《マイスター》を取得し、同年12月、京都にベッカライ・ペルケオをオープンしました。
「日本人にドイツパンの本当の美味しさを届けたい!」という想いで、ドイツ伝統のレシピを守り、酵母の仕込みや小麦粉を引くところからひとつひとつ手づくりしているのだそうです。
この日購入したのは、写真の3点です。やはり王道のパンに手が伸び、気が付くと「ラウゲン」が名前についた、ラウゲン風味のパンばかりを買っていました(笑)
右側のパンは「ラウゲン クロワッサン」。
「ラウゲン」とは、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を水に溶かしたアルカリ溶液のことです。
プレッツェルを作る際に、 パン生地をこのラウゲン液(3-5%)に浸してから焼き上げることで生地表面がこんがりした茶色になり、独特の風味と食感が生まれます。
フランス生まれのクロワッサンにラウゲン液を塗ってドイツ風にしたのが、こちらなんです。
ラウゲン特有の風味とバターの甘み、ほんのり塩気が融合していて、まさにフランスとドイツのコラボレーションです~。
中央は、「ラウゲン ブレッツェル」です。ドイツで最も有名なパンのひとつと言えます。
ラード(豚)入りの生地をラウゲン液に浸して高温で焼くことにより、特有の香ばしい風味が生まれています。
表面に岩塩をまぶしてあるので、好みによっては岩塩を落として塩加減を調整するのがよさそうです。
左側のパン「ラウゲンブロートヒェン」は、ブレッツェルを丸く成型したバージョンです。
長時間発酵させた小麦の酵母を使用しているとのことで、フレッシュな風味が感じられました。
ドイツパンと言うと、硬くて酸味の強いもの、というイメージが強かったのですが、こちらは割ると生地がふっくらとしていて、ハムやチーズを挟んでもとてもおいしそうです。
ケーキも色々とありました。
また、店内にはイートインスペースも設けられており、焼きたてのパンを店内でもいただくことができます。
店名:ベッカライ・ペルケオ・アルト・ハイデルベルク
HP:https://perkeo-kyoto.com/
住所:京都府京都市左京区岡崎天王町 54-1
電話:075-752-5577
パンの名店があまたある京都ですが、ドイツパン・オーストリアのパンも本当にハイレベル。
観光の合間に立ち寄ってランチしたり、ホテルに持ち帰っていただいたりと様々なスタイルでお楽しみください。