京都駅の八条口に降り立った時、風雅な香りを感じられたことはありませんか?
筆者は、旅行から戻り、京都駅でこの香りを感じると「帰ってきた~」という感覚になります。
実はこの香り、2014年に京都駅八条口側1階のアスティロード内にオープンした「松栄堂 薫々(しょうえいどう くんくん)」と言うお店から漂う香りなんです。
宗教用の薫香に加え、お茶席で使用する香木・練香、お座敷用の線香や匂い袋などを取り扱うお店です。薫々でのみ販売中の限定品も人気を集めています。
今回は、こちらの松栄堂さんが運営されている、香りを学んだり楽しんだりできる施設「薫習館(くんじゅうかん)」をご紹介します。
松栄堂とは?
松栄堂は、1705年(宝永2年)頃に創業し、お香の製造・販売を手掛けるお香の専門店です。
御所の主水職を勤めた3代目守経のころ「松栄堂」として本格的に香づくりに携わり、以降12代目に渡り、香づくり一筋に歩んできました。
創業当初より京都御所の南の現在の場所、烏丸二條に店を構え、宗教用の薫香をはじめ、茶の湯で用いる香木や練香、お座敷用の高級線香や手軽なインセンス、匂い袋など様々な場面で楽しめる香りを提案し続けています。
そんな松栄堂が、日本の香文化により広く深く触れていただける情報発信拠点として2018年7月11日に「薫習館」を新装開店しました。
一体どんな場所なのでしょうか?
Koh-labo「香りのさんぽ」
1F「香りのさんぽ」には、いろいろな香りに出会える楽しい仕掛けが用意されています。
①製造工程ミニチュア
入口を入って右側に進むと、ミニチュア模型で製造工程が再現されています。江戸時代のお線香の作り方が説明されており、今は一部に機会は導入しているものの、当時とほぼ変わらぬ製法を受け継いでいるのだとか。
「計量」「捏ね(こね)」「玉締め」「盆切り」「生付け(なまつけ)」「乾燥」「板上げ」、7つの工程に分かれています。
職人さんの手に緑色の粉が着いていたりと、実際の作業風景を細やかに表現されているので、じっくり観察してみてください♪
②STUDYコーナー
こちらにはタブレットが設置されており、お香の歴史・種類・使い方などを学ぶことができます。
わかりやすくまとめられたお香の知識を手軽に得ることで、自分の好みの香りが見つけやすくなるかもしれませんね。
③香りを楽しむ
こちらは、シリコンボトルを使って香りを確かめられるコーナーです。
ボトルを握ると、香りがフワッと出てきます。
筆者は強く握りすぎて、勢いよく香りが飛び出し、少しゲホゲホしてしまったので(笑)、少しずつ握ってみてくださいね。
④香りの柱
お部屋の奥の方にはポールが5本あります。クリアなケースの中に入っている原料を目で確認した後は、白いラッパに鼻を近づけて、ポンプをプシュッと押し、お香の原料の香りが確認できます。
「乳香」は、ムクロジ目カンラン科ボスウェリア属の樹木から分泌される樹脂。
古代エジプトでは神に捧げるための神聖な香として用いられ、キリスト教の儀式でも用いられているのだとか。
甘さがあり、あたたかみのあるような、そしてまた、スパイシーなニュアンスもある香りでした。
⑤かおりBOX
こちら、インスタなどでよく見ていました!この日も、映え写真狙いの2組の女子たちが順番待ちをされていましたよ。
3つの白いボックス天井から吊るされた3つの白いボックスに頭を入れて、それぞれ異なる香りを体感することができます。
下の写真は、館内に展示されていたもの。頭を入れるとこんな感じです!セルフで撮れるようにスタンドも用意されています。
BOXの中に頭を入れてみると、中の壁にはこのように香りの説明が。
このBOXの香りは、香木の一種「沈香」。
お線香の香りに少し甘いニュアンスを加えたような香りで、甘さの中にすっきり、凛とした印象がありました。
なんとなくすっきりとするような、リラックスできました♪
ちょっと驚きの香りグッズも!
受付の奥には、こんな、長ーいお香がありました。
その長さ実に約140cm!7時間も燃焼し続けるそうですよ。
ギネス記録を狙える長さでしょうか?(笑)
そして、なんと匂い袋のガチャ「Kun Gacha」なるものまで。
「上品」「みやこ」「空蝉香」「丹生の花」の4種の香りが入っており、当たりが出ると、スティックタイプのお香がいただけるそうですよ。
1回500 円で、運命の香りと出会ってみるのもよいかもしれません♪
地下鉄烏丸線・丸太町駅から徒歩約3分、烏丸御池駅から徒歩約5分の距離にあり、入場は無料。
香りの テーマパークで、一度ほんまもんのお香の奥深さに触れてみてはいかがでしょうか?
施設名:薫習館
HP: http://www.kunjyukan.jp/
住所:京都市中京区烏丸通二条上ル東側
電話:075-212-5590