かつて日本の都だった京都。
日本の古来の文化・芸能・行事・食文化などが生まれ、それらを支える産業も発展し、今に受け継がれています。
京都発のプロダクトブランドと言えば、どんな名前を連想されますか?
京唐紙の唐長、包丁や鍋と言った台所用品の有次、手ぬぐいの永楽屋、京扇子の白竹堂など、いずれの分野にも伝統をしっかりと守る老舗があり、時代を超えて愛される商品を買い求めることができます。
そんな中、今回ご紹介したいのはお箸の専門店「御箸司 市原平兵衞商店」です。
御箸司 市原平兵衞商店とは
市原平兵衞商店は、京都市下京区にある箸専門店です。
阪急の烏丸駅から徒歩約1分。京都の街の中心地に位置しています。
創業は1764年。禁裏御用(現代で言うところの宮内庁御用達)御箸司として今日まで続いています。
食事用をはじめ、茶懐石、料理用等あらゆる用途に合わせた材料をセレクトし、使いやすさを追求した最適のお箸が提供されています。
全部で約400種ものお箸がある、お箸一筋のお店です。
看板商品「みやこ箸」
まず、このお店の代表的な商品「みやこ箸」をご紹介しましょう。
材料には、すす竹(建材として天井裏などに使われていた竹が囲炉裏やかまどの煙でいぶされ、150年程の年月を経て丈夫で反りにくくなった貴重な竹)が用いられています。
細身のシェイプで、特に箸先は細く削られています。手に取って使ってみると、箸先がピタッと合い、小さいものも簡単につまむことができます。
すす竹は一膳一膳色合いや風合いに違いがあり、節のあるものもあります。
好みの一膳に出会うべく、店頭で色々拝見しながら選べるのも、楽しい時間ですね。
「平安箸」
また、当代主人考案の「平安箸」も人気の逸品です。
素材には、育って3年目の山城地方産の真竹を使用。粘り気が強く、弾力性がある竹を用いており、箸先が繊細に削り込まれています。手元は身の部分が丸か角に削られていて、持ちやすいんです。
写真は、全体に拭き漆仕上げされているタイプなので変色しにくく、手入れがしやすいのもありがたいですね。
「京風もりつけ箸」
そして、最後にご紹介するのは、「京風もりつけ箸」です。
全国の和食の料理人やフードコーディネーターの方々に愛用されるレジェンド箸と言っても過言ではありません。
箸先が、通常の4分の1の細さと非常に繊細なので、どんなに小さな食材でも簡単につかむことができ、細かいところにまで美しく盛付けることができます。
竹の皮を細い箸先まで残し、箸先を少し丸く仕上げられ、竹の皮を先端まで残すことで、丈夫なお箸に仕上がっています。
お弁当箱の狭い隙間におかずを詰める際、太い菜箸だと詰めにくいのですが、こちらだとそんなストレスはゼロ!
長さは、33cm、28cm、23cmの三種類あり、手元の部分はへらのように使うこともできます。
盛り付け用として販売されているものの、短いものは普段のお食事用にしてもとっても食べやすいですよ。
また、輪島などの各地の塗り箸もあり、筆者が今使っている螺鈿が施された塗り箸をはじめ、家族全員の箸がこちらで購入したものです。
いつ伺っても、お店の方が1つ1つのお箸の特徴を丁寧に説明してくださいます。
手に取って確かめながら、敷居の高さを感じることなくゆったりとお買い物ができるのも、大好きなポイントです。
お箸は毎日使うもの。だからこそ、「ひとに長く愛され、生活を豊かにする道具をつくる。」という哲学が詰まったお箸を、ご自分用に、親しい方へのお土産にお求めになってみてはいかがでしょうか。
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店名:御箸司 市原平兵衞商店(おんはしし いちはらへいべいしょうてん)
HP:https://ichiharaheibei.com/
住所:京都市下京区小石町118-1
電話:075-341-3832