京都の世界遺産・東寺。境内はとても広く、金堂や講堂、五重塔などたくさんの建物が建っており、じっくり見て回るなら半日くらいは余裕で過ごせてしまいそうです。
そんな東寺の近くには、宮本武蔵ゆかりのお寺「観智院(かんちいん)」があることをご存じでしょうか?観智院は東寺と深いつながりがあり、1359年頃に建立した歴史あるお寺です。本記事では、まだまだあまり知られていない穴場ともいえる観智院の見どころをご紹介します。
目次
- 見どころ①:宮本武蔵が描いた『鷲の図』と『竹林の図』を鑑賞できる
- 見どころ②:白砂が美しい『長者の庭』と『四方正面の庭』
- 見どころ③:観智院の正面を通る『櫛笥小路(くしげこうじ)』にも歴史あり
- まとめ:東寺と合わせて『観智院』にも訪れてみて!
見どころ①:宮本武蔵が描いた『鷲の図』と『竹林の図』を鑑賞できる
剣豪として有名な宮本武蔵ですが、実は芸術家としての才能もあり、水墨画や鞍・木刀といった工芸品が、全国各地の寺院や美術館に所蔵されています。観智院には宮本武蔵が描いた『鷲の図』と『竹林の図』が伝わっており、現在は客殿の上段の間で鑑賞することが可能です。
『鷲の図』は右上と左下の2羽の鷲が、1つの獲物を狙っている様子を描いています。『竹林の図』に描かれている竹は節目が強調されており、うっそうと茂った竹林に迷い込んだような心地になるのが見どころです。
客殿は国宝に登録されており、ぜいたくな空間の中でじっくりと作品を鑑賞できます。私が訪れたときは比較的空いていたため、お寺の方から丁寧に絵の説明してもらえました!
見どころ②:白砂が美しい『長者の庭』と『四方正面の庭』
宮本武蔵の作品を見られる客殿のすぐ横には、真っ白な砂利をふんだんに使った枯山水の庭園『長者の庭』があります。白砂の中には島を表しているかのように苔が盛り上がっている部分があり、その上に松を植えたり石を置いたりしています。日当たりも良く、冬でもぽかぽか陽気の中でのんびりと鑑賞できました。
また、客殿と本堂の間にある『四方正面の庭』も必見。長方形の小さな庭の一面に白砂をまき、楓や松の木を植え、石と井戸を配しています。桃山時代の庭園に手を加え、現在のような形になったそうです。こちらは建物の影になっており、ピンと張りつめた静かな空気が漂っていました。
見どころ③:観智院の正面を通る『櫛笥小路(くしげこうじ)』にも歴史あり
観智院の正面に通っている道は『櫛笥小路(くしげこうじ)』と呼ばれており、京都市内で唯一、平安時代から道幅が変わっていない道です。距離は東寺北大門から観智院前を通って、東寺北門までの約400mです。
観智院から徒歩10分のところには、平安京の出入り口である羅生門の跡地があります。「その昔はるばる平安京を訪れた人も、この道を通ったのかな」と、歴史に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
まとめ:東寺と合わせて『観智院』にも訪れてみて!
観智院は東寺から徒歩1分ほどのところにある、小ぢんまりとしたお寺です。東寺と合わせて参拝するなら、東寺の金堂・講堂とセットの拝観券を購入するのがおすすめ。所要時間は20分ほどで、静かでのんびりとした時間を過ごせますよ。東寺を観光する際は、ぜひ観智院にも訪れてみてください。
観智院
住所:京都府京都市南区九条町403
電話:075-691-3325
HP:https://toji.or.jp/guide/kanchiin/