京都市の南西に位置する長岡京市は、かつて784年から794年までのわずか10年間、都が置かれた「長岡京」の跡地です。長岡天満宮や乙訓寺、光明寺など見どころも多く、平安時代には『竹取物語』のモデルになった土地との説もあります。
そんな長岡京市は、京都でも屈指の「たけのこ」の名産地として知られています。
本記事では、長岡京のたけのこがなぜ美味しいのかという背景から、実際に旬の筍料理を味わえる名店21軒、直売情報、簡単なアレンジレシピまで、まとめてご紹介します。

目次
■ 長岡京市はなぜたけのこの名産地なのか
■ 長岡京の筍料理が味わえる名店21選
■ 長岡京のたけのこは購入できる?
■ たけのこの簡単アレンジレシピ5選
■ まとめ・訪問時の注意点
■ 長岡京市はなぜたけのこの名産地なのか

長岡京市が位置する乙訓(おとくに)地域は、酸性の粘土質で水はけがよく、日当たりにも恵まれていることから、古くから良質なたけのこの産地として知られてきました。
長岡京市の伝承では、平安時代初期(弘仁年間・810〜823年)に、地元の寺院・海印寺寂照院の開祖である道雄上人が、中国(唐)から孟宗竹を持ち帰り、この地に植えたのが始まりとされています(諸説あり)。
江戸時代になると京都・大坂という二大消費地への交通が整備され、乙訓の特産物として竹やたけのこの栽培が本格化しました。
長岡京のたけのこの美味しさを支えているのが、江戸時代後期に確立されたとされる「京都式軟化栽培法」です。
これは、たけのこが地上に顔を出す前の、柔らかくえぐみの少ない状態で収穫するための伝統農法で、年間を通じて次のような手間のかかる作業が繰り返されます。
- 3月下旬〜4月:収穫 親竹(次の年に活かす竹)を選定
- 5月上旬:親竹の先端を止め、肥料を施す
- 6〜8月:草引き・伸びすぎた竹の除去、追肥
- 9月:間引き、肥料やり
- 10〜12月:地温の低下と乾燥を防ぐため藁を敷く 土入れ作業を重ねる
- 1〜3月:たけのこの生育を待つ
収穫期は例年3月下旬から5月上旬で、最盛期は4月中旬頃です。
たけのこは掘り出した瞬間からえぐみが出始めるため、朝5時頃から掘り始める「朝掘り」が主流。
1年をかけて手間ひまを惜しまず育てられることが、長岡京のたけのこが柔らかく雑味の少ない味わいになる理由です。
■ 長岡京・筍料理の店舗

長岡京市内には、老舗の料亭から気軽なカフェ・洋食店まで、旬の時期にたけのこ料理を提供する店が数多くあります。エリアやジャンル別に紹介します。
<ご利用にあたっての注意 >
筍料理は春(おおむね3月下旬〜5月)の期間限定メニューです。
営業時間・定休日・価格・提供メニューは変更される場合がありますので、訪問前に各店舗へ確認することをおすすめします。
特に懐石コースは予約制の店が多いため、事前の電話予約が安心です。
〇 京料理・懐石
■うお寿
創業70年以上の老舗で、格調高い京会席や京寿司が評判。
春には長岡京産の京たけのこを使った「たけのこ会席」や、筍の形をそのまま活かした「筍の姿寿司」が名物です。姿寿司には食感と香りを高めるため刻んだたけのこも加えられており、通年提供されています。
住所:京都府長岡京市今里2-17-8
電話:075-951-0325
HP:https://www.uosu.jp/
■京料理 いっぷく亭
昭和47年創業。光明寺・楊谷寺・善峯寺にほど近い立地で、希少な「白子たけのこ」を使った本格京料理を味わえます。「白子たけのこ懐石 特選」は胡麻豆腐や木ノ芽和え、刺身、揚物、姿焼きなどたけのこ尽くしのコース。
慶事・法要にも対応し、おむつ交換台も備えるなど家族連れにも配慮されています。
住所:京都府長岡京市粟生西条4-1
電話:075-954-7777
HP:http://www.kyoto-ippukutei.jp/
■京・洛西 ぶへい
宝楽焼と京料理が人気の和モダンな店。
春は桜を眺めながら「たけのこ御膳」「たけのこ会席」を楽しめ、朝掘りたけのこの天ぷらが目玉です。
住所:京都府長岡京市井ノ内小西48-1
電話:075-956-0727
HP:https://buhei.gorp.jp/
■日本料理 竹茂
京都市内から少し離れた静かな立地で、たけのこ懐石やふぐ料理を提供する日本料理店。
地元契約農家から仕入れる朝掘りたけのこを使い、季節限定で「焼筍と筍饅頭付きの極みコース」なども用意されています。
住所:京都府長岡京市八条ヶ丘2-6-5
電話:075-953-2350
HP:https://www.chikumo.co.jp/
■やまなか
阪急「長岡天神駅」より徒歩約3分。
新鮮なネタの寿司や割烹料理が中心で、たけのこの時期には懐石や一品料理が登場します。
30名規模の宴会にも対応。
住所:京都府長岡京市長岡1-2-7
電話:075-953-9084
■長岡京 圓仁
先斗町の料亭で修行したオーナーによる創作和食店。
若竹煮やたけのこの天ぷら、土鍋で炊く本格たけのこご飯が人気です。
住所:京都府長岡京市天神1-2-19 1F
電話:075-204-6790
■藤之棚
長岡天満宮の池を望む隠れ家的な和食店。
「筍御膳」ではお吸い物、天ぷら、田楽、たけのこご飯と一通りの筍料理を味わえます。予約が安心です。
住所:京都府長岡京市天神2-2-7
電話:075-951-3027
■開田茶屋龍八
長岡天満宮の境内にある食事処。
自家製あご出汁のうどんが看板メニューで、たけのこちらし寿司や若竹うどんも人気です。
住所:京都府長岡京市天神2-15-13
電話:075-955-7800
■錦水亭
長岡天満宮の八条ヶ池のほとりに佇む老舗料亭。
四季の食材を使った京料理を提供し、春には「筍づくし会席」でたけのこの魅力を存分に味わえます。
住所:京都府長岡京市天神2-15-15
電話:075-951-5151
HP:https://www.kinsuitei.co.jp/
■天輪屋
地元で親しまれる昔ながらの食堂スタイルの和食店。
筍御膳のほか、たけのこステーキやたけのこ造りといった珍しいメニューも扱います。
住所:京都府長岡京市天神1-18-2
電話:075-954-5140
■京長岡魚常
西山天王山駅から徒歩約4分。うな重やすき焼きが定番メニューで、季節には完全予約制の「筍づくし松花堂御膳」を提供しています。
住所:京都府長岡京市調子1-24-31
電話:075-951-1860
〇 甘味・カフェ・軽食
■小倉山荘 竹生の郷
関西で知られるおせんべい・おかき店「小倉山荘」の本店。
枝垂れ桜など四季の自然に囲まれた敷地内のカフェレストランでは、春に「ココット鍋ご飯膳」で筍ご飯を提供しています。
住所:京都府長岡京市今里蓮ヶ糸45
電話:075-957-0707
■喫茶 カンパニュラ
長岡天神駅西口から徒歩約1分の小さな喫茶店。
自家栽培のたけのこを使った筍ピラフや、季節によってはたけのこの直売も行っています。
住所:京都府長岡京市天神1-1-4
電話:075-951-0362
■神足ふれあい町家
西国街道沿いに残る築170年以上の町家を改装した施設。
喫茶コーナーでは、たけのこ入りの町家特製うどん・そばを提供しています。
住所:京都府長岡京市神足2-13-10
電話:075-951-5175
〇 洋食・イタリアン
■まちバルSUBACO
長岡天神駅から徒歩約1分、ホテル併設のカジュアルダイニング。
テイクアウト可能な「たけのことひき肉のピザ」が季節限定で登場します。
住所:京都府長岡京市天神1-7-3
電話:050-5488-4901
HP:https://kdmk200.gorp.jp/
■オステリアルーチェ
2011年オープンの本格イタリアン。
春には「筍と牛豚肉の詰め物パスタ」が味わえ、たけのこの香りと食感がパスタとよく合うと評判です。
住所:京都府長岡京市開田3-3-10
電話:075-874-7073
■pasta vincolo
駅から徒歩約2分の生パスタ専門店。朝掘りたけのこを使った春限定パスタが名物です。
住所:京都府長岡京市天神1-18-1
電話:075-952-3090
HP:https://vincolo.owst.jp/
■洋食屋AKIRA
1993年創業、黒毛和牛の自家製ハンバーグが評判の洋食店。
春限定の「黒毛和牛の筍ハンバーグ 胡麻味噌ソース」は必食メニューです。
住所:京都府長岡京市開田3-8-11
電話:075-952-3885
HP:https://akira-bull-1993.jimdofree.com/
■Kitchen Blue Lake
ファミリー層に人気の洋食店。
季節限定の筍カレーや、長岡京産たけのこを使ったパスタを提供しています。
住所:京都府長岡京市友岡4-21-13
電話:050-5485-3039
HP:http://www.kitchen-bluelake.com/
〇 居酒屋・食事処
■はしげん
旬の魚介にこだわる居酒屋。数量限定の一品料理が多く、たけのこの天ぷらなど季節メニューも楽しめます。
住所:京都府長岡京市開田1-21-21
電話:075-955-1564
HP:https://c367500.gorp.jp/
■わかたけ
長岡天神駅西口から徒歩約1分。
和洋中と幅広いメニューを扱い、日替わりランチには筍うどんや筍ご飯が登場します。
住所:京都府長岡京市天神1-1-2 マルオカビル2階
電話:050-5484-0857
HP:https://kdmp100.gorp.jp/
■ 長岡京のたけのこは購入できる?
長岡京のたけのこが味わえるのは、例年4月から5月中旬頃までの短い期間です。
この時期になると、市内の直売所や農家の無人販売などでたけのこを購入することができます。
直売所は市内の道路脇などに点在しているため、散策しながら探すのもおすすめです。購入の際に、茹で方や保存方法を教えてもらえることも多いようです。
遠方から取り寄せたい場合は、長岡京市観光協会などを通じて通販での購入も可能です(取扱時期は季節限定)。
詳細は観光協会に直接お問い合わせください。
長岡京市観光協会
住所:京都府長岡京市天神一丁目1番2号
電話:075-951-4500
■ たけのこの簡単アレンジレシピ5選
直売所などでたけのこを購入した際に役立つ、家庭で作れる簡単なアレンジレシピをご紹介します。
〇 たけのこのステーキ
たけのこを縦半分に切り、両面に斜めの切れ目を入れます。
醤油大さじ1.5・みりん大さじ4・酒大さじ1.5でタレを作り、フライパンで両面を焼いてタレを絡め、木の芽を添えれば完成です。
〇 たけのこの佃煮
たけのこ約500gを2mm厚のいちょう切りにして下茹でし、だし汁2カップで5分ほど煮ます。
酒1/2カップ・みりん大さじ5・醤油大さじ4・山椒の実大さじ3を加えて15分ほど煮詰めれば、日持ちする佃煮の完成です。お茶漬けやお弁当のおかずに便利です。
〇 たけのこのそぼろ煮
たけのこ300gを一口大に切り、戻した干し椎茸と合わせます。
油でねぎ・生姜を炒め、ひき肉と椎茸を加えて火を通したら、酒・たけのこ・椎茸の戻し汁・水・醤油を加えて中火で煮込みます。アクはこまめに取り除くと仕上がりが良くなります。
〇 たけのこのホイル焼き
小ぶりなたけのこの先端を切り落とし、皮に切り込みを入れてアルミホイルで包み、200℃のオーブンで約30分焼きます。ゴマダレや梅肉ダレを絡めていただきます。
〇 たけのこご飯
たけのこ150gを切り、油揚げは油抜きして千切りに。
研いだお米に昆布・たけのこ・油揚げを加えて炊けば、シンプルながら春らしい炊き込みご飯が完成します。
■まとめ・訪問時の注意点
長岡京市は、平安時代からの歴史を持つたけのこの名産地として、京都でも屈指の美味しさを誇ります。老舗の京料理店から洋食・イタリアンまで、それぞれの店が趣向を凝らした筍料理を提供しているのも長岡京ならではの魅力です。
筍料理は春の短い期間限定のメニューが多いため、訪問前に各店舗へ提供時期や予約の要否を確認することをおすすめします。
京都市内観光と合わせて、少し足を延ばして長岡京のたけのこグルメを楽しんでみてはいかがでしょうか。

