しとしとと雨が降る日が続く梅雨。外出が億劫になりがちですが、日本庭園やお寺に植えられている苔は水に濡れて深緑色になり、とても風情があります。そこで今回は、雨の日にこそ訪れてほしい苔がきれいなお寺を2カ所ご紹介します。
どちらも穴場的なスポットのため、いつ訪れてもゆっくりと鑑賞できるでしょう。屋内からもお庭を見られるため、散策中は雨に濡れる心配もありません。京都旅行当日に雨の予報が出ている時は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
■桂春院
■蓮華寺
■まとめ
■桂春院
日本最大級の禅寺である妙心寺の塔頭『桂春院』。京福電鉄北野線の妙心寺駅から徒歩6分ほどのところにあります。瓦屋根の重厚感のある門と、左右に掛けられている真っ黒な看板が目印です。
お庭の全面に苔を植えており、新緑の青もみじも相まって落ち着いた雰囲気が漂っています。縁側に座ってぼんやりと眺めるだけでも心が落ち着きますよ。建物内には江戸時代初期の狩野派の画家である狩野山雪が描いた襖絵も飾られています。
桂春院は、織田信長の孫にあたる織田秀則によって創建されました。江戸時代になると滋賀県にある長浜城から既白庵という茶室が移築されます。既白庵は千利休の子・宗旦の門弟四天王の1人である藤村庸軒のもので、「わびさび」と「禅の心」の両方を体感できるお寺です。
・施設名:桂春院
・住所:〒616-8036 京都府京都市右京区花園寺ノ中町11
・電話番号:075-463-6578
■蓮華寺
『蓮華寺』は、比叡山のふもとにあるお寺です。叡山電鉄の叡山本線、三宅八幡駅から徒歩6分のところにあります。小さな山門をくぐると左側にたくさんの仏像を祀っている建物があり、中央に本堂へ向かう石畳の通路が伸びています。
建物内はとても広く、照明を落とした室内から青々とした苔と新緑のもみじが見えます。雨の音を聞いて、自然のマイナスイオンを浴びながらリフレッシュできますよ。お庭の端には池もあり、大きな鯉が泳いでいます。
もともとは現在の京都駅近くに「西来院」という名前で建っていたのですが、応仁の乱の影響で一度消失。江戸時代初期に、加賀前田藩の家臣によって今の場所に再建されました。右京区と南区にも同じ名前のお寺があるので、間違えないように気を付けましょう。
・施設名:蓮華寺(左京区)
・住所:〒606-0065 京都府京都市左京区上高野八幡町1
・電話番号:075-781-3494
■まとめ
どんよりとした雨模様が続く6〜7月の京都ですが、雨音を聞きながら静かにお庭を鑑賞するのは趣があって良いものです。水に濡れた苔は青々と輝き、思わず写真を撮りたくなるでしょう。早朝もしくは閉門に近い時間帯に行くと人も少なく、のんびり過ごすことができます。新緑ならではの爽やかな空気を感じに、ぜひ訪れてみてください。