京都の葵祭って何?起源や由来、日程について地元民が教えます

KYOTREAT編集部
京都には
・祇園町
・葵祭
・時代祭
と呼ばれる「京都三大祭」があります。
5月に上賀茂神社と下鴨神社の例祭である葵祭。葵祭は京都のお祭りの中でも大変有名で斎王代の腰輿を含む行列は500人を超え、長さは1キロにもなります。そんな葵祭は「聞いたことはあるが、どういったものか知らない」という人もいらっしゃることかと思います。そこで今回は葵祭の起源や由来、行われる日程などについてご紹介させて頂きます。

目次

  • ■葵祭りの葵とは?
  • ■葵祭りの歴史
  • ■葵祭はいつ?2022年のスケジュール
  • ■まとめ

葵祭りの葵とは?

祇園祭は庶民の祭りと呼ばれる一方で葵祭は貴族の祭りと言われており、現在でも王朝貴族の行事の伝統が残って優美に行われます。平安時代、祭りと言えば「葵祭」を指すほど有名だったようですがそもそも葵祭は「賀茂祭」と呼ばれていました。では、どうして「葵祭」と言われるようになったのでしょうか。
総勢500人を超える行列「路頭の儀」の御所車(牛車)、勅使、供奉者の衣冠や、牛馬、御簾などすべてを葵の葉で飾っていました。飾られた緑の葉っぱは「葵桂」と言います。
この上賀茂神社と下鴨神社の神紋、二枚葵の葉を飾ったことから「葵祭」と呼ばれるようになりました。

葵祭りの歴史

写真 https://ja.kyoto.travel/event/major/aoi/

今から約1400年前の6世紀の中頃、欽明天皇のときに疫病が流行り、風雨が原因で五穀が実りませんでした。そのため、天皇の命(勅命)により当時の賀茂の大神の崇敬者である卜部伊吉若日子が占ったところ賀茂神の祟りであると示されたのです。そこで、4月の吉日を選んで鈴をつけた馬を走らせる駆競などを行い五穀豊穣を祈ったところ風雨がおさまり五穀も育ち、国民も安泰になりました。この行事が葵祭のルーツだと言われています。
そこから、819年には朝廷の律令制度により恒例祭祀に準じて行う国家的行事として伝統が受け継がれるようになりました。
平安時代以降、応仁の乱で京都が戦場となり財政悪化が原因で約200年廃絶、1871〜1883年、1943〜1952年に中止があったものの再興を続け現代に至ります。

葵祭はいつ?2022年のスケジュール

葵祭は毎年5月15日に行われます。それまでにもいくつかの祭事が行われますが、近頃の新型コロナウイルスの影響により昨年も路頭の儀や斎王代列禊の儀が中止となっています。今年もその影響があり変更や中止も予想されますが、これまでに行われていた祭事の詳しいスケジュールや現段階で予定されている2022年の日程を見てみましょう。(2022年の実施については、新型コロナウイルスにより内容の変更の可能性もありますので最新情報は公式サイトをご確認ください。)

○5月1日 賀茂競馬足沙式

写真 https://www.gqjapan.jp/culture/bma/20190602/kyoto-in-may-horse-races/amp

5月5日の賀茂競馬に走る馬の足の速さ、健康状態などの具合を見ます。馬を走らせて優劣を判断し、当日の馬の組み合わせを決めます。2022年は5月1日(日)午後1時00分より予定されています。

○5月3日 流鏑馬神事

写真 https://mainichi.jp/articles/20190503/k00/00m/040/125000c.amp

100mおきに杉板の的が3つあり射手が馬に乗って矢を放ち、的を射る神事です。平安末期〜鎌倉時代に武士の間で盛んだった騎射が起源となっています。2022年は5月3日(火・祝)午後1時00分より予定されています。

○5月4日 斎王代以下女人列の御禊の儀

写真 https://xn--it-e83a0d6ae29c5fndsh3d5554by1fx3cnz8bsv5b8g9c6mxdxm1a.com/kiji.html?entry=2013-05-04-01

5月初旬の吉日には斎王代以下女人列の御禊の儀が行われます。上賀茂神社、下鴨神社で毎年交互に行われ、斎王代以下、女人も列に奉仕する女性約40人が御手洗池に手を差し入れて身を清める神事です。2022年は5月4日(水・祝)午前10時00分より予定されています。

○5月5日 歩射神事

写真 https://www.kimonobijin.jp/contents/detail.asp?c=4&id=60

下鴨神社で祭りの安全祈願のために矢を射ます。平安時代に宮中で行われた謝礼の儀が始まりとされています。2022年は5月5日(木・祝)午前11時00分より予定されています。

○5月5日 賀茂競馬

写真 https://www.the-kyoto.jp/calendar/may/kamigamo05b/

上賀茂神社で賀茂競馬を行います。1093年、平安時代に五穀豊穣を祈願して競馬を上賀茂神社に献じたことが起源とされています。2022年は5月5日(木・祝)午後2時00分より予定されています。

○5月12日 御陰祭

写真 https://www.kyoto-tabiya.com/2018/05/13/69287/

比叡山の西麓の御蔭神社から葵祭の神霊を迎える神事です。下鴨神社で行われます。2022年は5月12日(木)午前9時30分より予定されています。

○5月15日 葵祭

写真 http://www.imamiya.jp/haruhanakyoko/season/aoi.htm

路頭の儀、社頭の儀、宮中の儀からなります。路頭の儀では、建礼門から河原町通、下鴨神社の順路で山城使や斎王代、女人が歩きます。社頭の儀では上賀茂神社、下鴨神社の両神社で行われる儀式です。行列が下鴨神社へ到着すると御祭文が奉上され、東游が奉納されます。2022年は5月15日(日)午前10時30分(雨天順延)より京都御所から下鴨神社、上賀茂神社と行われる予定です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は葵祭の起源や由来、スケジュールなどについてご紹介させて頂きました。葵祭の歴史や由来を知れば、より違った視点から楽しむことができるでしょう。葵祭では有料席もありますので利用して快適に過ごしてみてくださいね。